ひと

2020.11.17



[ソウル=イ・ギョンミ]
[映像=キム・シュンジュ、チェ・テシュン]

10月に行われた「2020世宗(セジョン)学堂韓国語スピーチ大会」で大賞を受賞したバーレーンのザフラ・アルサフィーさんは、韓国語の魅力についてこのように語った。

「韓国語は、話す側の気持ちがよく表れる言語です。語尾も種類が多く、(それぞれの語尾によって)微妙な違いがあるのが不思議です」

4年前から韓国語の勉強を始めたアルサフィー氏は同大会で、韓国語を勉強する過程で自分が感じた韓国人の特徴を3つ挙げ、「韓国人は称賛をよくするし、勘が鋭い上に、まじめだ」と流ちょうな韓国語で話した。

子音・母音の構成や文字の形態、文を読む方向など、韓国語とは全く違うアラビア語を使う人が「韓国語の達人」になった秘訣を聞くため、バーレーンの首都マナーマとソウルをつなげ、オンライン形式でインタビューを行った。韓国語で約30分間行われたインタビューの中で、キレイな発音で、アルサフィー氏は、レベルの高い語彙を使い、きれいな発音で 話した。

10月8日、「2020世宗学堂 韓国語スピーチ大会」で発表するザフラ・アルサフィー氏=ザフラ・アルサフィー氏提供



お祝いのメッセージを伝えると、授賞は予想もしなかったとした上で、「とても光栄に思う。ベストを尽くしただけなのに、良い結果が得られてうれしい」と話した。

アルサフィー氏が韓国語を勉強するようになったきっかけは、韓国のバラエティー番組「Running Man(ランニングマン)」。東南アジアやアラブなどでも爆発的な人気を博している。この番組が好きで、よく見ているうちに、韓国語を身近に感じるようになり、字幕のハングルもかわいいとおもうようになり、ハングルの魅力にはまったという。

それから3年間、一人で韓国語を勉強した。大学で建築学を専攻するアルサフィー氏は、去年から、バーレーンの首都マナーマにある世宗学堂で週に2回、2時間ずつ韓国語授業を受けている。世宗学堂は、韓国語と韓国文化を世界に発信するために設立された教育機関である。

授業以外にも一日に1時間は、最近読んでいる韓国語の本に出てくる単語を覚えたり、ユーチューブなどで新語を覚えたりするなど、自然な韓国語を身につけるため頑張っている。

アルサフィー氏は、アラビア語や英語で話す時には、自分の気持ちをピッタリと表現する言葉がなくて困ることが多いが、韓国語では感情を正確に表現することができるため、今や韓国語で話すことがもっと楽に思えるようになった。

彼女の最も好きなハングルの単語は、「マウム(心)」。人の感情、考え、気持ちなどを全部合わせて表現できる言葉だから好きだという。

韓国語の勉強を楽しんでいる彼女にも、難しいと感じていることがある。それは、オノマトペだ。知らない表現や単語があると、すぐに意味を調べる。そして、実際に会話の中で使ってみる。そのような努力を続けた結果、今のように流ちょうな韓国語を話せるようになった。韓国語を学ぶ外国人には、「韓国文化や韓国人を深く理解し、子どもになった気持ちで、焦らずに勉強することが重要」とアドバイスした。

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10月8日、ソウルにある国立ハングル博物館で開かれた「2020世宗学堂 韓国語スピーチ大会」に出席し、祝辞を述べる金正淑夫人=聯合ニュース



文在寅(ムン・ジェイン)大統領の夫人・金正淑(キム・ジョンスク)さんは、韓国語スピーチ大会当日、祝辞で「韓国語でつながっている世界の人々、その心の距離は0メートルだ」と述べた。アルサフィー氏は、「(金夫人の祝辞のように)どこにいても韓国語で話せば、すぐに気持ちが伝わり、離れている距離感を感じさせない」とし、これからも韓国語を一所懸命に勉強して、バーレーンと韓国をつなぐ架け橋役を担いたいという抱負を語った。

最近、アルサフィー氏は、韓国語のエッセイ「言葉の温度」という本を読んでいる。言葉には、それぞれに温度があり、その温度によって人を癒すことも、誰かを傷つけたりすることもあるという内容の本だ。

「私は、自分の韓国語が上手だとは思っていません。なぜなら、上手だと思った時から、勉強をしなくなるからです。まだ、自分の実力は足りないのだと、繰り返し言い聞かせながら、これからも韓国語を勉強していきます」

アルサフィー氏が話す韓国語。その言葉の温度は、何度だろうか。