映画「ミナリ」で韓国人俳優としては初めてアカデミー賞助演女優賞を受賞したユン・ヨジョン。故金綺泳(キム・ギヨン)監督の映画「火女」(1971年)で映画デビューし、今年で映画デビュー50周年を迎えた。「ミナリ」は彼女にとって33作目の映画出演作になり、その他にも主演・助演を問わず韓国映画界で大活躍している。彼女が出演した映画のうち7本を紹介し、彼女の演技人生を振り返る。
映画「火女」のワンシーン=ダザインソフト
ユン・ヨジョンの映画デビュー作。ユン・ヨジョンはアカデミー賞助演女優賞を受賞した後、故金綺泳監督に感謝の意を伝えた。
金持ちの家に家政婦として就職したミョンジャ(ユン・ヨジョン)が、勤め先の家の主を誘惑し、その家庭を壊すために変貌していく過程を描いた映画。この映画でユン・ヨジョンは、鮮烈な演技を見せ、韓国の大鐘賞映画祭の新人女優賞、青龍映画賞の主演女優賞を受賞し、シッチェス・カタロニア国際映画祭では主演女優賞を受賞した。
映画「虫女」のワンシーン=映画振興委員会
この映画も故金綺泳監督の映画。一人の男を巡る二人の女の愛憎を描いたスリラー映画。ユン・ヨジョンは、ホステスのミョンジャ役を演じ、型破りの演技を見せた。デビュー作の「火女」に続き、「虫女」が大ヒットし、ユン・ヨジョンはトップ女優の仲間入りを果たした。
映画「浮気な家族」のワンシーン=映画振興委員会
結婚・渡米・離婚でしばらくの間、俳優としてのキャリアに空白があったユン・ヨジョンは、2003年にイム・サンス監督の映画「浮気な家族」で演技者としての人生を再スタートさせた。この映画の中でユン・ヨジョンは、主人公の姑を演じ、夫が闘病中にも関わらず、不倫をするビョンハン役を演じた。
映画「女優たち」のワンシーン。左から、チェ・ジウ、キム・ミニ、イ・ミスク、コ・ヒョンジョン、ユン・ヨジョン、キム・オクビン=ショーボックス
20代から60代までの韓国を代表する女優6人が共演したことで話題になった映画。ファッション雑誌の撮影のために集まった女優たちが、撮影の開始が遅れるのをきっかけに、お互いに雑談を交わし始め、映画が展開していく。女優たちの間の緊張感あふれる雰囲気が感じられるのが見どころ。
映画「ハウスメイド」のワンシーン=映画振興委員会
「ハウスメイド」は、故金綺泳監督の1960年の映画「下女」をリメイクした作品で、ユン・ヨジョンは両作品に出演した。
ユン・ヨジョンは、昔から働いている年寄りのメイドであるビョンシクに扮し、第5回アジア・フィルム・アワード、第47回大鐘賞、第31回青龍映画賞など、様々な映画際で助演女優賞を獲得した。
映画「蜜の味 〜テイスト オブ マネー〜」のワンシーン=映画振興委員会
欲と権力、そして愛にまみれた財閥一家とその使用人の歪んだ関係を描いた映画。
ユン・ヨジョンは、財閥会長婦人のベク・グムオクに扮し、拝金主義の最上流階級の欲望や執着を表現し、強い印象を残した。この映画は、第65回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされた。
映画「バッカス・レディ」のワンシーン=映画振興委員会
この映画でユン・ヨジョンは、年寄りを相手に売春する、いわゆる「バッカス・レディ」と呼ばれるおばあさんのソヨン役を演じた。高齢者の性売買という社会の暗い部分を繊細な演技力で表現した。
同映画は、ベルリン国際映画祭や香港国際映画祭に招待されるなど、国際映画祭で注目を集めた。ユン・ヨジョンはこの映画で、カナダで開かれるファンタジア国際映画祭で主演女優賞、第10回アジア太平洋スクリーン・アワードで審査委員賞などを受賞し、海外の映画関係者の目を引いた。