第25回全州国際映画祭「行者連作」の特別展の記者会見が開かれた。写真は、記者たちの質問に答える台湾の蔡明亮監督(左)=3日、全羅北道・全州市・完山区
[全州=ソ・エヨン]
[写真=ソ・エヨン]
[映像=全州国際映画祭公式ユーチューブチャンネル]
赤い僧服を着た行者が、セリフもなく、世界のさまざまな都市を裸足でゆっくり歩く。台湾の台北から始まり、香港、マレーシアのクチン、フランスのパリ、日本の東京、アメリカのワシントンD.C.まで。10作に及ぶ台湾の蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督の代表作である「行者連作」だ。この連作の11番目の新作は韓国の全州(チョンジュ)が背景だ。
3日、全羅北(チョルラブク)道 全州市完山(ワンサン)区にあるベストウェスタンプラス全州ホテルで、第25回全州国際映画祭「行者連作」特別展の記者会見が開かれた。
ツァイ監督は映画「愛情万歳」(1994)で第51回ベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞し、世界的に注目を浴びた。彼が演出した長編映画の前編は、カンヌ国際映画祭をはじめとする世界3大映画祭に招待され、フランスのルーブル博物館の最初の所蔵映画である「顔」(2009)を制作した。
ツァイ監督と全州国際映画祭の縁は2001年、第2回全州国際映画祭「デジタル三人三色」で彼の初めてのデジタル短編映画である「神との対話」(2001)である。全州国際映画祭は今年、全世界で初めてツァイ監督の「行者連作」10編を紹介する特別展を開いた。さらに全州国際映画祭との協業を通して「行者連作」の11番目の作品を制作することに決めた。
ツァイ監督は「私は、美しく素晴らしい都市でのみ『行者連作』の撮影を行う」とし、「美しい全州で『行者連作』の11番目の作品を撮影できることになり、とても光栄だ。私の映画を通じて観客の皆さんにも全州を知ってもらいたい」と話した。
また、「どのように撮るかはまだ分からないが、面白く良い作品になると信じる」として「今後多くの時間を割いて全州を勉強するために見て回る」と付け加えた。
同日の記者会見には、ツァイ監督のすべての長編映画に主演として出演した台湾俳優の・ガンセンも訪れた。彼は「約10年間『行者連作』を通じて世界各地を歩いてきた」とし「韓国でも歩けることになり、とてもうれしい」と期待をのぞかせた。
第25回全州国際映画祭「行者連作」特別展の記者会見で、今回の特別展プログラムブックを手に記念撮影を行う台湾の蔡明亮監督(左)と台湾のイ・ガンセン俳優=3日、全羅北道・全州市・完山区
ツァイ監督は、韓国の作品を高く評価し、韓国で「行者連作」を披露できるのは、とても幸運なことと話した。「テレビさえあれば、世界どこにいても韓国の作品を楽しめるほど、韓国は特に映画やドラマ産業をリードしている」と繰り返し強調した。
好きな韓国映画やドラマは何かという質問に、ツァイ監督は「『パラサイト 半地下の家族』と『ザ・グローリー』が面白かった。イ・チャンドン監督の作品も何度も見た」として「韓国には素晴らしい監督や俳優が多い」と答えた。
xuaiy@korea.kr