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2025.04.18

「南極大陸単独スキー横断」に成功したキム・ヨンミ隊長=キム・ヨンミのインスタグラム

「南極大陸単独スキー横断」に成功したキム・ヨンミ隊長=キム・ヨンミのインスタグラム


[イ・ジヘ]

2023年に南極点に到着し、2024年には韓国人として初めて南極大陸の単独横断に成功したキム・ヨンミ。

昨年11月8日(現地時間)、南極大陸の西海岸「ハーキュリーズ・インレット」から出発し、69日8時間31分かけて、計1786キロを歩いた。そして今年1月17日に「レベレット氷河」に到着した。

単独徒歩で内陸の海岸から南極点を経由して内陸の海岸まで移動したのは、まだ世界でたった4人しかいない。KOREA.netは先月19日、ソウル・明洞(ミョンドン)でキム・ヨンミに会い、インタビューを行った。

インタビューに応じるキム・ヨンミ=3月19日、ソウル・中区、イ・ジョンウr

インタビューに応じるキム・ヨンミ=3月19日、ソウル・中区、イ・ジョンウ


南極横断の間、食事はどのようにしていたのか。


栄養士のアドバイスを受け、1日に840グラム、3800kcal摂取した。しかし、1日あたりの消費カロリーが6000~7000kcalだったため、常にカロリー不足の状態だった。毎日の食事は、乾燥させた牛肉やインスタント食品だった。他には、米に水を加えるだけで食べられる、フリーズドライ米なども食べていた。味を気にする余裕はなく、ただお腹が満たされればよかった。

南極は、年平均降水量が非常に少なく、地理的に砂漠として分類される。飲み水はどうしたか。


雪を溶かして飲んだ。0.2リットル程度の燃料で、5リットルほどの水ができる。南極の雪は密度が高い。水の心配はなかった。

ゴミの処理はどうしたか。

本当に必要なものしか持っていかなかった。ゴミはすべて持ち帰らなければならないため、ゴミが出ないように気を付けていた。最初は荷物が100キロだったが、食糧が徐々に減っていくので、最後には約40キロになっていた。念のためにGPS装置とストーブ、コンロなどはそれぞれ2個ずつ持って行った。


レベレット氷河で記念撮影を行うキム・ヨンミ=1月17日(現地時間)、キム・ヨンミのインスタグラム

レベレット氷河で記念撮影を行うキム・ヨンミ=1月17日(現地時間)、キム・ヨンミのインスタグラム


南極はどれくらい寒いのか。


南極は乾燥していて寒いだけでなく、風も強い。また、地面はすべて凍っている。家庭用冷蔵庫の冷凍室がマイナス18~22度だとすれば、南極はマイナス15-35度くらいだろう。風が吹けば体感温度はさらに低くなる。ソリと荷物が重いため、移動していると汗をかくが、その汗もすぐに凍ってしまう。テントの中に入り、ジャケットを脱ぐと、凍った汗が落ちるほどだ。

風が強いためテントが飛ばされないように、かなり神経を使った。風の方向を計算し、雪で高さ1メートルほどの壁を作ってから、テントを張った。風があまりにも強い日には、水も間食もほとんど食べられなかった。間食を取り出すには、手袋を外さなければならないからだ。吹雪のあまりのひどさに、テントから外に出られなかった日もあった。

凍傷にならなかったか。

肌を出してはいけない。手袋をはめて服も数枚ずつ重ね着した。顔には、ゴーグルとマスクをしていた。手袋を何枚も重ねてしていたので、時計を見ることができなかった。それで、移動中に聞いていた歌が何曲終わったかで休憩時間のタイミングを計り、太陽が移動する位置を確認して時間を計った。

紫外線対策はどうしたのか。

南極は夏だった。24時間、日が暮れない白夜だった。雪は白いので光が反射しやすいため、目を守るためには、常にスキーゴーグルやサングラスを着用するしかなかった。寝る時も眼帯を着用していた。南極点からレベレット氷河を下る時、歩く方向が、常に太陽の真正面だった。

移動経路が赤い線で表示されている。GPSで1時間ごとに位置座標を伝送したため、韓国で移動経路の確認ができた=キム・ヨンミのインスタグラム

移動経路が赤い線で表示されている。GPSで1時間ごとに位置座標を伝送したため、韓国で移動経路の確認ができた=キム・ヨンミのインスタグラム


南極はどうだったか

南極は世界で最も寒い大陸で、平均高度が最も高い。とにかく寒かった。 


キム・ヨンミが南極大陸を単独横断しながら描いた絵がデザインとして活用されている=キム・ヨンミのインスタグラム

キム・ヨンミが南極大陸を単独横断しながら描いた絵がデザインとして活用されている=キム・ヨンミのインスタグラム


jihlee08@korea.kr