政策

2014.03.06

ユン・ビョンセ外交相は5日、スイスのジュネーブで開かれた「第25回国連人権理事会」での基調演説で、普遍的人権問題としていまだに解決されていない日本従軍慰安婦(comfort women)被害者問題の早期解決を求めた。

ユン外交相は、「従軍慰安婦は、日本帝国主義の軍によって徴集された戦場性奴隷被害者(victims of wartime sexual slavery drafted by the Japanese imperial armed forces)」とした上で、この20年間にわたる国連の人権メカニズムの継続的な勧告と多くの国の決議採択にもかかわらず、河野談話の否定を試みるなど日本の一部の政治リーダーらによる最近の行動を指摘し、過去の過ちと責任を認め、正しい歴史教育を実施するよう日本政府に求めた。

ユン外交相は同日、韓国政府の外交政策の中核目標である「世界の幸福」の実現に向け、世界のすべての人々の尊厳性と人権が尊重され、暮らしの質が向上する社会づくりに積極的に賛同する意志を表明した。

윤병세 외교장관이 5일 스위스 제네바에서 열린 ‘제25차 유엔 인권이사회’ 기조연설에서 위안부 피해자 문제의 조속한 해결을 촉구하고 있다. (사진: 외교부 제공)

5日にスイスのジュネーブで開かれた「第25回国連人権理事会」で、ユン外交相が基調演説で従軍慰安婦被害者問題の早期解決を求めている(写真提供:外交省)


윤병세 외교장관이 5일 스위스 제네바에서 열린 ‘제25차 유엔 인권이사회’ 기조연설에서 위안부 피해자 문제의 조속한 해결을 촉구하고 있다. (사진: 외교부 제공)

5日にスイスのジュネーブで開かれた「第25回国連人権理事会」で、ユン外交相が基調演説で従軍慰安婦被害者問題の早期解決を求めている(写真提供:外交省)


ユン外交相は、人権を最優先課題にしようという国連の「人権の主流化(mainstreaming)」推進を評価し、パン・ギムン国連事務総長が掲げる「人権優先(Rights Up Front)」イニシアチブへの支持を表明した。

国際社会の主要な人権問題についてユン外交相は、シリアなど世界の人権状況を評価し、北朝鮮における人権状況に関する国連調査委員会(COI:Commission of Inquiry)の報告書の発表を機に、北朝鮮の人権状況の改善の必要性とともに、武力紛争下における性暴力問題への対処に向けた国際社会の取り組みの重要性を力説し、特に日本従軍慰安婦被害者問題の解決を強く求めた。

ユン外交相は、これからの北朝鮮の人権問題において一里塚となるCOIの報告書提出を評価し、北朝鮮の人権状況の改善に向けた実質的な措置の履行に期待するとともに、国際社会の追加措置を巡る議論の早期開始の必要性を強調した。そして、COIの追加措置として、国連メカニズムの強化への支持と北朝鮮人権状況特別報告者の中心的役割に期待を示した。そのために、強制送還禁止の原則の遵守と脱北者保護の重要性を強調した。また、離散家族再会の定例化や北朝鮮による拉致被害者、韓国軍捕虜など人道的な事案に関する解決策の早期策定を北朝鮮に求めた。

ユン外交相は、韓国はこの1世紀の間に植民侵奪と戦争、貧困と抑圧を強いられ、いまだに国家分断という悲しみを抱えている国だとし、国際社会の痛みを共感できる国として人権の保護と伸張に向けた人権理事会の取り組みにおける重要なパートナーとなることを約束した。

コリアネット ウィ・テックァン記者、ユン・ソジョン記者
whan23@korea.kr