ロシア極東ハバロフスクの38歳の女性は、結婚して20年以上の間、不妊に悩まされ続けてきた。2度の流産と不妊でロシアの医療機関を受診したものの原因がわからず、子どもをあきらめていた。その女性は今年初めに韓国の医療機関を訪れ、免疫学的な要因による胎盤の血流供給の減少が原因であることがわかった。4月に試験官ベビーの施術に成功し、妊娠27週の安定期に入り、間もなくロシアに帰国する予定だ。
この女性のように、韓国を訪れる外国人患者が急増している。保健福祉省は20日、2013年の一年間で191カ国から21万人の外国人患者が韓国の医療機関を受診したと発表した。これは、前年(15万9464人)に比べ32.5%の増加で、5年前の2009年の3.5倍にも上る数だ。
アラブ首長国連邦(UAE)のシェイク・モハメド・ザイード・アル・ナフヤン・アブダビ皇太子が、血液の難病である再生不良性貧血でソウル聖母病院に入院したオマー君(8歳)をお見舞いしている。オマー君は、骨髄移植を受けて退院した(写真提供:ソウル聖母病院)
韓国の医療機関を受診した外国人を国別でみると、中国人(5万6075人)、米国人(3万2750人)、ロシア人(2万4026人)、日本人(1万6849人)、モンゴル人(1万2034人)の順だ。特に、ロシア人患者は、2012年の約1万6千人から46%増加した。韓国政府とUAE間で締結した患者送出協約の影響で、UAEの患者も2012年の342人から2013年は1151人と2倍以上に増えた。他にも、カザフスタンやモンゴル、ウズベキスタンなどから多くの患者が韓国の医療施設を受診している。
(上)これまで高血圧と肥満に悩まされてきたが、ソウル大学病院で心臓移植手術を受け、免疫抑制剤を投与中の UAEの患者 (下)出生後、肺炎と肺動脈高血圧を併発した心室中隔欠損症という診断を受け、ソウル大学病院で手術を受ける予定のモンゴルの子ども(写真提供:ソウル大学病院)
外国人患者が最も多く受診する医療分野は、消化器や循環器といった内科で、6万8453人(24.4%)が受診した。続いて、健康検診(2万8135人、10%)、皮膚科(2万5101人、9%)、美容整形外科(2万4075人、8.6%)、産婦人科(1万5899人、5.7%)の順だ。中国人患者は、美容整形外科、皮膚科、内科を多く受診し、4人に1人は美容整形外科か皮膚科だった。一方、ロシア人患者は、内科、健康検診、産婦人科、一般外科、皮膚科を多く受診している。ロシア人患者は、がんや心臓血管疾患といった重症患者が多かった。
韓国を訪れる外国人患者の数、診療科目別、国別の現況
コリアネット イム・ジェオン記者
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