韓国政府は、ニュージーランド・クライストチャーチの国際南極センターに南極研究協力センターを設置した。
3日に開かれた開所式には、両国の政府関係者や研究者ら約50人が出席した。韓国極地研究所とニュージーランド南極研究所(Antarctica New Zealand)への研究支援やインフラ共同活用などに向けた協力意向書(LOI)も締結された。
極地研究所のキム・イェドン所長(左)とニュージーランド南極研究所のピーター・ベッグズ(Peter Beggs)所長が協力意向書に署名している
同協力センターは、南極大陸を基盤とした研究の活性化や南極科学基地への物資の安定供給など、国際共同研究の拡大に向けて設置された。南極張保皐科学基地の運営や砕氷研究船「アラオン号」の運航、米国やイタリア、ニュージーランドなど南極プログラムを運営する国との共同研究に向けた拠点として活用される予定だ。
ニュージーランド・クライストチャーチは、南極のロス海に面しており、南極大陸進出国の重要拠点であり、韓国の砕氷研究船「アラオン号」の寄港地だ。
極地研究所はこの10年間で、過去の気候変動を分析する独自の氷河ボーリング技術の開発や極地に生息する微生物から抽出した結氷防止物質の実用化に向けた研究、南極海地質探査、新たなエネルギーであるガスハイドレート(gas hydrate)埋蔵地点の発見などの成果を挙げた。昨年は韓国の研究機関としては初めて南極で「月隕石(lunar meteorite)」を発見した。
南極研究協力センターで記念写真を撮る韓国の極地研究所とニュージーランドの南極研究所の関係者ら
海洋水産省の関係者は、「このところ南極研究活動は多国間の国際共同研究プログラムを中心に実施されており、今年韓国が張保皐科学基地を竣工したことで南極諸国との連携がより重要になっている。南極協力センターは、極地研究機関同士の協力だけでなく、国を挙げての南極研究協力を強化・拡大する拠点としての役割を果たすことになる」と話している。
コリアネット イム・ジェオン記者
写真提供:極地研究所
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