「ウォン高による価格競争力の確保と輸出依存型経済成長は限界に達した。新たな成長エンジンの発掘が必要だ。財政投資拡大や不動産・サービス分野の開放、規制改革などに焦点を合わせなければならない」

韓国経済の現状を診断し、未来を眺望するセミナーで出された意見だ。23日に開催された同セミナーには韓国駐在海外メディアと韓国メディア、政府関係者らが出席した。



文化体育観光省海外文化広報院が主催した今回のセミナーで、韓国開発研究院(KDI)のキム・ジュンギョン院長は、韓国のGDP成長率は世界経済の成長率よりも低く、住宅需要も減るなど、成長エンジンの一部に故障があると指摘。不動産、法律、医療サービス市場の開放などグローバル経済環境を活用して新たな成長エンジンを発掘する必要があると強調した。また、年功序列の硬直した賃金体制を見直すとともに、不振企業の構造調整や財政支出の充実化などが伴わなければならないと主張した。

ウォール・ストリート・ジャーナル韓国支局長のアラステア・ゲール(Alastair Gale)氏は、企業家精神を養う文化の形成が必要だと強調した。パク・チョンヒ(朴正熙)政権時代に企業家精神を発揮することで電子や造船など製造業であげた多くの成果が今必要だと指摘し、さらなる規制緩和に取り組むべきだと主張した。

中国テレビの李香(0Li Xiang)記者は、韓国のコンテンツ産業の年平均増加率は10％とGDP増加率をはるかに上回り、韓流ドラマがコンテンツ輸出全体の89％を占めるという「韓国ドラマの力」に注目した。また、中国のコンテンツ産業の規模拡大及び韓中FTAと相まって両国はウィンウィンの関係が深まるという見通しを示した。一方、金利引き下げに伴う住宅担保融資が増えており、家計負債をいかに減少させるかが韓国政府の課題であるとしたうえで、外国人不動産投資移民制度をもっと活用すべきだと主張した。外国人投資移民制度が施行された2010年10月以来、投資移民者の98.5％を占める中国人投資家は一括払いまたは現金払いで現金の流動性に貢献しており、韓国経済にとって決して悪いことではないと説明した。

また、韓国放送報道委員のチョン・ピルモさんや産業タイムズ・ソウル支局のオム・ジェハン支局長らは、韓国経済の再飛躍に向けた課題や未来の成長エンジンなどについて踏み込んだ意見を交わした。



記事・写真：コリアネット　ウィ・テックァン記者
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