政策

2016.10.04

韓国は、1987年に電算ネットワークの普及拡大と利用促進に関する法律を制定して以来、より便利で良質な行政サービスを国民に提供するために電子政府の構築に取り組んできた。絶え間ない技術開発の努力により発展を遂げてきた韓国の電子政府システムは、今や世界から認められるものとなった。韓国の電子政府がたどった道のりと電子政府の成功例や今後の海外協力計画などを順に追う。今回は韓国の出入国審査システムについて紹介する。

韓国の空の玄関口、仁川(インチョン)国際空港の利用客は年々増加傾向にある。
今年の秋夕(チュソク)連休、9月13日から18日までの間に仁川国際空港を利用した人の数は、前年比で19.6%増の97万人と連休繁盛期の過去最多を更新した。1日の利用客数も7月31日に初めて20万人を超えた。

増え続ける空港利用客の数に比例して出入国審査官の数を増やしたわけではないのに、出入国審査のために長い時間待たされるという不便はほとんどない。それは「自動出入国審査(Smart Entry Service, SES)」のおかげだ。

자동출입국심사등록센터에 등록된 정보를 활용하면 자동출입국심사 게이트에서 지문인식과 안면촬영만으로 편하게 심사를 마칠 수 있다.

自動出入国審査登録センターに登録された情報があれば、自動化ゲートで指紋と顔写真による認証だけで簡単に審査を済ませることができる





通常、所要時間が1分足らずの自動出入国審査は事前にパスポート情報と固有の生体情報(指紋、顔写真)を法務部の自動出入国審査登録センターに登録しておけば、自動化ゲートで指紋と顔写真による認証だけで簡単に審査を済ませることができるシステムだ。

自動出入国審査の利用客数は2008年の導入以来、年々増加傾向にある。
法務部によると2015年の自動出入国審査利用客数は全体(6,637万2,908人)の19.8%に当たる1,313万2,445人を記録。

現在、自動出入国審査は満7歳以上の韓国人と17歳以上で登録済みの外国人、さらに米国または香港の電子パスポート保有している人なら誰でも利用することができる。韓国は2012年に米国と、2013年には香港と自動出入国審査サービスの相互開放に合意し、両国の国民が利用できるようにした。今年の11月からは、マカオのパスポート保有者も韓国で自動出入国審査サービスを利用できる。

자동출입국심사를 이용하려면 여권정보와 지문, 안면 등 고유 정보를 사전에 자동출입국심사등록센터에 등록해야 한다.

自動出入国審査サービスを利用するにはパスポート情報と指紋、顔写真など固有情報の事前登録が必要となる





現在は仁川、金浦(キンポ)、金海(キムヘ)、大邱(テグ)、済州(チェジュ)の国際空港と仁川港、ソウル駅、都心空港、大田(テジョン)と清州(チョンジュ)、光州(クァンジュ)の出入国事務所の全国11カ所で自動出入国審査登録センターが運営されている。

韓国は空港の混雑度を大きく軽減する自動出入国審査サービスの拡大に向け、2017年からは事前登録制度を廃止する計画。今年6月に法務部は警察庁と連携し、事前登録をしなくても自動出入国審査サービスを利用できる新たなシステムを構築していると明らかにした。

몽골 칭기즈칸 국제공항에 설치된 한국형 자동출입국심사대의 모습.

モンゴル・チンギスハーン 国際空港に設置された韓国型の自動化ゲート





韓国の出入国審査システムは海外でも関心を集めており、輸出につながっている。
2007年の国連公共サービス賞を受賞した韓国の自動出入国審査サービスは、2014年、モンゴル・チンギスハーン国際空港に導入された。モンゴル政府が出入国管理システムの現代化事業の一環としてモンゴル全域の出入国事務所における出入国管理システムと外国人登録システムの構築・統合業務に対する支援を韓国政府に要請していたためだ。

ドミニカ共和国でも2015年から経済協力開発基金(ECDF)を通じて出入国管理システムの現代化事業が進められている。さらに、パラグアイ、チリ、ペルーなどでも韓国の自動出入国審査システムを導入するため韓国法務部と交渉を進めている。

コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:法務部、KOICA
翻訳:イ・スミン
arete@korea.kr