「公共デザイン」は特定の専門家だけの作業ではなく、社会全体が参加する共同作業である。公共デザインから社会問題を解決し、公共の場を美しく快適にすることで「より暮らしやすい都市」としての競争力を向上させることを目指す。
文化体育観光部は公共デザインによりさらに快適な環境を作った成功例とアイデアを「プロジェクト」と「学術研究」の2部門で公募し、その中から大賞受賞作を9日に発表した。大賞はプロジェクト部門で「
東大門屋上楽園」が、学術研究部門では「
水原市安全路地作り10原則」が受賞した。
汚いゴミで埋め尽くされていたソウル鐘路区東大門靴商店街屋上がアーティストの作業場に生まれ変わった公共デザインプロジェクト「東大門屋上楽園」が文化体育観光部の公共デザイン大賞を受賞した
「東大門屋上楽園」プロジェクトは放置されていたソウル鐘路区(チョンノグ)の東大門靴商店街の屋上空間をアーティストたちが作業できる空間に作り変えた。屋上いっぱいの廃棄物18トンを処理し、アーティストたちの作業空間が誕生した。同プロジェクトは従来のハードウェア中心の公共デザインを超えて、公共デザインが目指すべき参加と疎通の望ましい方向を見事に示した例として高い点数を得た。公共デザイン分野の専門家であるアメリカ出身のイーサン・ケントは「空間による社会革新の先駆モデル」と評価した。
文化体育観光部の公共デザイン公募展で学術部門大賞を受賞した「水原市安全路地作り10原則」は京畿道水原市の汚く暗い路地をきれいで安全な環境に変え、高い点数を受けた
「水原市安全路地作り10原則」は京畿道(キョンギド)水原市路地の汚い景観と有害環境、リスク要素などを調査・分析し改善するための実行10原則を明らかにした水原市庁都市デザイン課の研究結果である。10原則では「道を明るく照らす」「きれいに飾る」「道を空けておく」「閉鎖空間を開放する」など路地の特性に合った具体的かつ適切な「安全デザイン」を提案した。
なお、11日には「公共デザイン-公共にとって良い場所とは」をテーマに「2016公共デザイン国際シンポジウム」が釜山(プサン)の韓火(ハンファ)リゾートで開催される。
この場にはニューヨークのプロジェクト・フォー・パブリックスペースのフレッド・ケンド代表が「未来の街づくり」、イギリスのデザイン・カウンシルのレイチェル・トムス氏が「皆の繁栄を支援する公共建築と空間」、フィンランドのアルト・アーキテクツのカッレ・ヴァテラ氏が「公益のための建築」をテーマにした講演など、世界各国の「良い場所作り」の試みと成果が紹介される。
「公共デザイン-公共にとって良い場所について」をテーマにした「2016公共デザイン国際シンポジウム」が11日に釜山で開催される
コリアネット ソン・ジエ記者
写真:文化体育観光部
翻訳:イム・ユジン
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