政策

2016.12.02

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国連安全保障理事会(以下、国連安保理)は北韓が強行した5回目の核実験に対応する新たな北韓制裁決議案を採択した。国連安保理は11月30日にニューヨーク国連本部で行われた採決で北韓への経済制裁の強化に向けた「決議第2321号」を15国の全会一致で採択した。今回の決議は「(9月9日の5回目の核実験は)安保理決議を無視する明確な違反行為であり、これを最も強い言葉で糾弾する。北韓による追加の核実験やミサイル発射がある場合さらなる重大措置をとる」としている。

制裁内容は直前の決議案2270号の不備を補完し、北韓経済に実質的な打撃を与えられるものとなっている。

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11月30日、国連安保理が全会一致で採択した決議第2321号は直前の決議第2270号より強化された制裁内容となっている



今回の決議の中核内容は北韓の主な収入源である石炭輸出に「上限制」を設けること。

2017年1月1日から北韓の石炭輸出は年間4億87万ドル(約4,720億ウォン)、もしくは750万トンという上限が適用される。これは昨年の輸出総量または金額の38%に当たる。この上限制により年間7~8億ドル(約8,197億~9,368億ウォン)の外貨収入が減少する見込み。さらに石炭・鉄・鉄鉱石・バナジウム鉱石・チタニウム鉱石・希土類に加え銀・銅・ニッケル・亜鉛などが輸出禁止品目として追加された。また、北韓の大型造形物の輸出を禁止し、国連加盟国についても北韓にヘリコプターや船舶などを販売できないよう定めた。

北韓の外交活動も大きく制限される。
加盟各国に対して自国で活動する北韓の外交官の数を減らすとともに、北韓の公館および公館職員の銀行口座を各自1つに制限し、マネーロンダリングや違法取引などを簡単に追跡できるよう定めている。また大量破壊兵器(WMD)と関わりのある北韓要人に対する入国拒否、北韓公館所有の不動産賃貸による収益創出の禁止なども追加制裁として盛り込まれた。

加えて、金融制裁も強化し、加盟国の金融機関が北韓国内で活動することを禁止して90日以内に北韓国内にある事務所や銀行口座を閉鎖することや、こうした機関に対する公的・私的金融支援を禁止するなどの条項が盛り込まれた。さらに、駐エジプト北韓大使館のパク・チュニル大使など11名と統一発展銀行など10の機関が旅行禁止および資産凍結の対象として加わった。

コリアネット ソン・ジエ記者
写真:国連安全保障理事会
翻訳:イ・スミン
jiae5853@korea.kr