2度目の南北首脳会談を終えた文在寅大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=26日、北朝鮮・統一閣
[ソン・ジエ、キム・ウニョン]
[写真・映像=青瓦台]
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が26日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「一切の形式にとらわれず会いたい」と言いながら、2度目の南北首脳会談を要請した。
北朝鮮による南北高官級会談の中止や米国による米朝首脳会談の中止など、米朝を対話のテーブルに引き戻したのは、文大統領の「仲介外交」だった。
文大統領は27日、青瓦台(大統領府)で開かれた記者会見で、2度目の南北首脳会談が開催された背景について「金委員長が25日午後、一切の形式にとらわれず会いたいと(会談を)要請し、私はそれを喜んで承諾した」と述べた。
米国のドナルド・トランプ大統領が米朝首脳会談の中止を発表した翌日だった。トランプ大統領からの揺さぶりを受けて、非核化について話し合いたいとの金委員長の意志が「一切の形式がない板門店会談の開催」に繋がった。
米朝首脳会談の開催について、北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)第1外務次官は「我々はいつでも 、どんな方法であれ、対座して問題を解決する用意がある」と話した。これを受けたトランプ米大統領は、自身のツイッターに「北朝鮮が暖かくて生産的な声明を発表した。非常に良いニュースだ」と書き込み、米朝首脳会談の開催に前向きな姿勢を示した。
南北首脳会談は、これまで実現に至るまでの道のりが困難を極めた。だが、米朝を対話のテーブルに引き戻したのは、文大統領の「仲介外交」だった。文大統領は金委員長に今月22日のトランプ米大統領との韓米首脳会談について説明し、「北朝鮮が完全な非核化を決断して実行すれば、トランプ大統領は北朝鮮との敵対関係を終息させ、経済協力をする意思があることを伝えた」とした。金委員長は「体制が保証されるならば、韓半島における完全な非核化の意志は明確だ」と再確認した。
文大統領は「私は、両国が持つ意思を伝達し、また対話を通じて互いの意志を確認するよう呼びかけている」と話した。
トランプ米大統領は、自身のツイッターに「我々は米朝首脳会談の復活について、北朝鮮と非常に生産的な対話を行っている」と投稿し、米朝首脳会談の開催を公式化した。文大統領が米朝首脳の意思を正確に互いに伝達して、米朝首脳を会談の場に引き戻したと見られる。
米国の外信も、文大統領の仲介外交について好評した。米テレビ局ABCニュースは「中止された米朝首脳会談が文大統領の仲介役で、開催されるようになった」とし、米 紙ワシントン・ポストは「両首脳を繋ぐ仲介役は、文在寅大統領だけだ」と述べた。
2度目の南北首脳会談で握手する文在寅大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=26日、北朝鮮・統一閣
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