サムスン・ディスプレイ工場を訪問した文在寅大統領=2019年10月10日、忠清南道・牙山
[ソ・エヨン、キム・ウニョン]
[写真=聯合ニュース]
昨年7月1日、日本政府が半導体の原材料などについて、韓国への輸出管理を厳しくしてから1年。 当初は韓国の半導体業界への打撃が指摘されていたが、韓国は素材や部品の「日本依存化」からの脱却が進んでいる。しかし、それとは反対に、日本企業は「大きな打撃」を受けていると言われる。
日本による対韓輸出規制の対象となるのは、スマートフォンなどの画面に使う「フッ化ポリイミド」、最先端の半導体製造で使う「レジスト」と「フッ化水素」。
韓国は脱日本化
韓国貿易協会が1日に公開した報告書によれば、韓国における「フッ化水素」と「フッ化ポリイミド」の対日輸入依存度(19年7月から20年5月まで)がそれぞれ33%ポイント、6%ポイント減少した。その反面、台湾、中国などからの輸入を拡大し、研究開発などの分野で政府支援を受け、関連素材の国産化を拡大している。
韓国は、フッ化水素の100%を海外からの輸入に頼っていたが、LGディスプレイでは、昨年10月からディスプレイ・パネル工場で使われる高純度の液体フッ化水素を全て韓国産に代替している。また、SKマテリアルズが先月から半導体の生産工程で使うフッ化水素ガス(純度99.999%)の量産を始めた。レジストの生産にも400憶ウォンを投資している。
コーロンインダストリーは、昨年からフッ化ポリイミドの量産を開始し、SKCも年間100万平方メートルを生産できる設備を備え、事前テストを行っている。日本の依存度が90%以上だが、輸出規制強化の以前から国産化が進んでおり、大きな影響はないとみられる。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、先月30日に会議を開き、素材や部品の国産化などを進めたことで、韓国での半導体の生産に支障はなかったとし、これまでの対応の成果について「転禍為福」(災いをを転じて福となす)の機会を作ったと評した。
韓国で広がる日本製品の不買運動
日本は打撃
韓国で日本製品の不買運動が広がり、日本企業がその影響を受けた。
韓国輸入自動車協会によれば、韓国で1月から5月までに販売された日本車は、7308台で、前年同期比62.6%減少した。日産は今年末に、韓国からの撤退を決めた。
関税庁によれば、韓国で1月から5月までに販売された日本のビールは、前年同期比91%減少し、売上上位からその姿を消した。
日本のメディアも、日本の対韓輸出規制により、日本企業が打撃を受けていると指摘している。
朝日新聞も「韓国は長年の課題だった部品や素材の日本依存からの脱却にかじを切る」とし、「日韓双方の企業にとって、規制強化は政治のメンツに振り回された勝者なき戦いだ」と指摘した。
韓国貿易協会の洪智相(ホン・ジサン)研究委員は、「国産化に向け、韓国政府と企業が共に努力したことがこのような結果をけん引した」とし、「日本政府による追加規制に備え、不確実性リスクを低下させ、供給網を見直すべきである」と強調した。
xuaiy@korea.kr