第20代韓国大統領選挙で当選した尹錫悦氏=10日、ソウル、国民の力
[パク・ヘリ、キム・ウニョン]
9日に投票が行われた第20代韓国大統領選挙で、保守系の最大野党「国民の力」候補の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏が当選した。
中央選挙管理委員会によると、10日午前6時すぎに開票率が100%となり、得票率は尹氏が48.56%(1639万4815票)で、革新系の与党「共に民主党」候補の李在明(イ・ジェミョン)氏が47.83%(1614万7738票)だった。
投票数の差は、わずか24万7077票で、得票率の差は、0.73ポイントだった。韓国大統領選の中で得票数の差が最も小さい選挙だという。これまで1位と2位の得票数の差が最も小さかったのは1997年の大統領選で、当時の候補、金大中(キム・デジュン)氏は李会昌(イ・フェチャン)氏と39万557票の差(得票率の差は1.53ポイント)で当選した。
尹氏は10日未明、国会で記者会見を開き「私と国民の力の勝利というより、偉大な国民の勝利だ」と述べた。そして「選挙運動を行ってから国のリーダーになるために必要なものは何なのか、国民の声をどう傾聴すべきかなどを学んだ」とし、「新政権を準備し、大統領職に就いた後は、憲法の精神を尊重し、議会を尊重し、野党と協治(協力の政治)をしながら国民に仕える」と述べた。
李氏は敗北を宣言。「最善を尽くしたが、期待に応えられなかった」とし、「尹氏にお祝いを言いたい。統合と和合の時代を開いてほしい」と述べた。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は尹氏に電話で祝意を伝えた。政権の円滑な引継ぎや国民の統合などについて言葉を交わした。
米ホワイトハウスからの祝意もあった。ロイター通信によると、ホワイトハウスの報道官は、尹氏への祝意と共に、尹氏と緊密に協力を拡大したいというバイデン米大統領の考えを伝えた。
尹氏は、同日の午前、国立墓地である国立ソウル顕忠院を参拝した。新政権は5月10日に発足する。任期は5年。
第20代韓国大統領選挙の最終投票率は77.1%(暫定値)と集計された。2017年5月に実施された前回大統領選での最終投票率より、0.1ポイント低かった。全国1万4464地点の投票所で4419万7692人の有権者のうち、3345万4249人が投票したと推計される。
国立ソウル顕忠院を参拝する尹錫悦氏=10日、ソウル、ゾン・ハン撮影
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