国家人工知能戦略委員会の発足式に出席したイ・ジェミョン大統領=8日、ソウル、聯合ニュース
[ユン・ソジョン]
韓国の人工知能(AI)3大強国への飛躍を実現するための総合コントロールタワーとなる「国家AI戦略委員会」が8日に発足した。
AI戦略委員会は、韓国における最高位のAI戦略機関として、国家AI政策に関わるあらゆる事項を審議・決定し、総合的に調整する役割を担う。李在明(イ・ジェミョン)大統領が委員長を務め、イム・ムニョン(共に民主党)デジタル特別委員長を含む約50人の委員が参加した。なお、昨年の大統領選挙時には、イ・ジェミョン大統領が既存の国家AI委員会の役割強化と、大統領自らが主導する国家AIガバナンスの推進を公約していた。
この日、ソウル・中(チュン)区のソウルスクエアで開催された発足式で、イ・ジェミョン大統領は「韓国は、取り残される追随者の立場にとどまるのか、それとも無限の可能性を享受する先導者となるのかを分ける、大きな歴史の転換点に立っている」と述べた。また、「国家競争力と未来の繁栄を左右する核心的な原動力として、AIのような先端技術は国力であり、経済力であり、さらには安全保障力でもある」と強調した。
さらにイ・ジェミョン大統領は、「ためらい、現状に甘んじていては、技術への依存、産業の衰退、不平等と格差の拡大という三重の苦難を避けることはできない」と指摘。「果敢に前進し未来を切り拓けば、人工知能は産業全体の体質を高度化させ、国民の生活の質を向上させ、韓国を新たな繁栄の時代へ導く鍵となるだろう」と語った。
続いて、「AI3大強国のビジョンは、韓国の未来を左右する核心的な生存戦略だ」と述べ、その実現に向けた政府の4大戦略を明らかにした。この4大戦略は、誰もが簡単にアクセスし活用できる「すべての人のためのAI」、「民官ワンチーム戦略」、「社会全体をAIに親和的なシステムへと整備すること」、そして「AIの均衡ある発展」で構成されている。
一方、発足式に続いて行われた非公開会議では、「AIアクションプラン」の推進方針や、「AI高速道路」の構築に向けた国家AIコンピューティングセンターの推進案について審議・議決が行われた。また、AI基本法に基づく下位法令の制定方針に関する報告もあった。
AIアクションプランは、政府のビジョン「AI3大強国への飛躍」の実現を目指し、「AIイノベーションエコシステムの構築」、「国家規模のAI基盤の大転換」、そして「グローバルなAI基本社会への貢献」という3つの柱と、12の戦略分野で構成されている。委員会は、12の戦略分野の代表的な課題を含む各省庁の詳細な実行課題を網羅したAIアクションプランを、11月までに策定・発表する予定だ。
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