科学技術情報通信部・個人情報保護委員会の業務報告で発言する李大統領=12日、世宗、大韓民国大統領室
[キム・へリン]
韓国政府は、国内技術で開発した汎用人工知能(AI)の基盤モデルを世界トップ10水準に引き上げるとともに、行政や産業、日常生活の各分野でAI活用を広げる国家的取り組みを本格化させる方針だ。
科学技術情報通信部は12日、世宗政府庁舎内の世宗コンベンションセンターで行われた2026年度の業務計画報告で、来年を「AI3大強国への跳躍の転換点」と位置づけ、国民が実感できる具体的成果の創出を目指す方針を示した。報告には、李在明(イ・ジェミョン)大統領も出席した。
ペ・ギョンフン副総理兼科学技術情報通信部長官は、「2026年までに世界トップ10入りを目指し、独自のAI基盤モデルを確保する。オープンソースとして公開し、企業や学界が自由に活用できるようにする」と述べた。政府は、汎用AIモデルの開発と並行して、国防・製造・文化など各分野に特化したAIサービスも推進し、産業や公共部門でのAI活用をさらに進める計画だ。
AI競争力強化のためのインフラ投資も大幅に拡大する。 政府はグラフィック処理装置(GPU)3万7000枚を確保し、スーパーコンピューター6号機を導入するなど、研究開発と産業現場のAI需要に対応する。 さらに、AI中心大学を新設し、大学院の定員を拡大し、専門人材を養成する。 2030年までに3兆ウォン規模のAIスタートアップスケールアップファンドを造成し、企業成長も支援する。
政府はAI活用の裾野を広げるため、全国民参加型の取り組みを進める。来年3月には全国民AI競技大会を開催し、学生や一般市民、専門家を問わず、誰でもアイデアを提案できる場を設ける。研究開発や事業化、起業と連携して支援する方針だ。さらに、オンライン学習プログラムやオフライン教育施設の拡充により、国民一人ひとりが手軽にAIを学び、活用できる環境づくりを進める。
サイバーセキュリティとデータ保護の強化にも取り組む。政府は、セキュリティ事故を繰り返す企業に懲罰的課徴金を課すほか、最高経営責任者(CEO)の責任を明確化するなど、企業の責任体制を厳格に整備する。また、AIを活用した脅威検知システムを導入し、ハッキング対応能力の向上も図る方針だ。
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