研究員が全羅南道・海南のモイ山鉱区近くで韓国地質資源研究院が開発した「広帯域誘導分極探査技術」を試している
最近、全羅南道(チョンラナムド)珍島郡(チンドぐん)沖に位置している加沙島(カサド)の南部地域で約300億ウォンの価値をもつ金鉱が発見された。
地下に交流の電流を流し地下300mの深さまで存在する金・銀・銅といった鉱石の分布と埋蔵量を精度良く把握できる「広帯域誘導分極探査技術(Spectral Induced Polarization)」のおかげだ。
従来の技術は地下に片方向に流れる高出力の電流で地下の分極現象を誘導し、それを測定することにより地下構造を把握していた。しかし、探査手法の特性から現場では高出力の電流を流すことが難しく雑音に弱いため、電磁気の雑音の強い韓国では良質な資料を得られないという問題があった。
今回開発された「広帯域誘導分極探査技術」は1秒に数回も方向を変える交流の電流を地下に送り、より広い周波数帯域の上方を測定するのはもちろん、地下構造を把握することができるため以前の短所をカバーした。電磁気の雑音問題も解決できる上、良質な資料が得られるというメリットがあるのだ。
韓国地質資源研究院は独自開発した「広帯域誘導分極探査技術」で全羅南道珍島郡沖に位置する加沙島の南部地域で金鉱石約21万トンが埋蔵している地域(左の赤い四角)を確認した
11日には全羅南道海南郡(ヘナムぐん)モイ山鉱区で同技術を試験し商用化する作業が行われた。研究陣は地質構造からして金鉱が存在する可能性が高いと知られる全羅南道珍島沖の加沙島(カサド)に向かった。探査の結果、加沙島南部地域の地下10~60mの深さに巨大な金鉱脈が分布していることがわかった。
加沙島で確保できる金鉱石は約21万1,238トン(金は627.5kg)に上ると推定される。市価で300億ウォンを超える規模である。
韓国地質資源研究院の研究者らが全羅南道・海南に位置するモイ山鉱区の近くで「広帯域誘導分極探査技術」の現場での適用性を確認している
同技術を開発した韓国地質資源研究院のキム・ギュハン院長は「今回の資源探査新技術の開発は、国家研究開発事業における大きな成果だ。産業分野に欠かせない金属鉱物の探査に広く活用される技術を一段階発展させたもの」と説明した。
コリアネット イ・ハナ記者
写真:韓国地質資源研究院
翻訳:イム・ユジン
hlee10@korea.kr