科学技術

2016.11.14

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雑穀のヒエに血糖値の上昇を抑え炎症を和らげる効果があることが明らかになった。写真は栽培期間が比較的短く、様々な作付体系に適した食用ヒエの品種「ポラジク」



イネ科の植物ヒエに血糖値を抑え、炎症を和らげる効果があるという研究結果が発表された。

9日、農村振興庁と慶北(キョンブク)大学はマウスを対象にした雑穀ヒエの効能を研究した結果を発表した。

ヒエは朝鮮時代まで五穀の1つとして栽培面積が10万ヘクタール以上に上るほど人気の高い雑穀だったが、産業化や米の自給率上昇などにより食用としてはほとんど消費されなくなった。食用ヒエの主な機能成分はルテオリンにトリシン、ケンペロールなどで、こうした成分には優れた美白効果や抗酸化機能があるとされる。

動物実験は糖尿病を発症させたマウスを通常の食事のみを与えたグループと食用ヒエの抽出物を一緒に与えたグループに分けて行われた。その結果80%のエタノールで抽出した食用ヒエの抽出物を8週間食べさせたグループの方が通常の食事のみを与えられたグループより血糖値とコレステロール値が約30%減少した。

エタノールで抽出した食用ヒエの抽出物は炎症を和らげる効果もあることが分かった。研究グループはマウスを2グループに分け、食用ヒエの抽出物をそれぞれ60mgと1,200mgずつ1週間食べさせた後、炎症誘発物質を投与して浮腫(むくみ)を引き起こさせた。24時間後、ヒエの抽出物を600mg与えたグループは抽出物を食べていないグループに比べて浮腫の発症率が20%減少し、1,200mgを与えたグループはほとんど浮腫を発症しないことが分かった。

これまで農村振興庁では機能性に優れ、コンバインによる機械栽培が可能な食用ヒエを開発してきた。最近開発した品種「ポラジク」は収量性に優れ、栽培期間が85日と短いため多様な作付体系に取り入れることができる。

農村振興庁の関係者は「食用ヒエはイネの代わりに田んぼで栽培できるうえ栽培が容易だという特徴をもつ、新機能性ウェルビーイング雑穀。雑穀ごはんだけでなく麺やお粥など活用度が高いため新機能性ウェルビーイング雑穀として価値が高い」と述べた。

コリアネット イ・ハナ記者
写真:農村振興庁
翻訳:イ・スミン
hlee10@korea.kr