科学技術

2024.05.23

漢陽大学校の共同研究チームが開発した世界初のストレッチャブル基板。引っ張ったり伸ばしたりしても無線通信の性能を維持する=漢陽大学校のチョン・イェファン教授

漢陽大学校の共同研究チームが開発した世界初のストレッチャブル基板。引っ張ったり伸ばしたりしても無線通信の性能を維持する=漢陽大学校のチョン・イェファン教授


[キム・ヘリン]

韓国の研究チームが、引っ張ったり伸ばしたりしても、無線通信が可能な世界初のストレッチャブル基板の開発に成功した。

科学技術情報通信部は22日、漢陽(ハニャン)大学校のチョン・イェファン、ユ・ヒョンソク教授が率いる共同研究チームが、ゴムのように伸び縮みし、無線通信が可能な「電子皮膚」の開発に、世界で初めて成功したと明らかにした。研究結果は21日(現地時間)、国際学術誌の「ネイチャー」に掲載された。

医療や健康管理など、多様な分野で活用される電子皮膚基盤のウェアラブル機器は、外部と通信するためには、電力を伝送するための無線周波数(RF)素子と回路が必要だ。

しかし、RF回路は高周波で動作する特性上、わずかな伸び縮みやねじれだけでも、回路の周波数帯域が変わってしまう。通信が途切れたり、電力送・受信効率が急激に低下するという問題が生じる。

共同研究チームは、この問題を解決するために伸縮性のあるゴム素材にセラミックナノ粒子を混ぜた。そして、ナノ粒子が基板内部で固まりながら組み立てられる工程を適用した基板の開発に成功した。これまで学界に報告されたことのない、世界初の技術だ。

研究チームは開発した基板を応用し、90メートル以上の長距離でも無線通信が可能な電子皮膚の開発にも成功した。この電子皮膚は、従来の技術では測定が難しかった脳波や身体の動き、皮膚の温度など、人体信号を遠距離で測定し、伝送することにも成功した。

kimhyelin211@korea.kr