科学技術

2025.06.11

韓国と米国の国際共同研究を通じて、肺の炎症と組織損傷を効果的に抑制するLNP技術を開発した=アイクリックアート(上記の写真は著作権法に基づき無断転載及び再配布を禁じます)

韓国と米国の国際共同研究を通じて、肺の炎症と組織損傷を効果的に抑制するLNP技術を開発した=アイクリックアート(上記の写真は著作権法に基づき無断転載及び再配布を禁じます)


[コ・ヒョンチョン]

新型コロナウイルス感染症による肺炎症と組織損傷を効果的に抑制できる薬物伝達技術が開発された。

成均館(ソンキュングァン)大学校は、融合生命工学科のパク・ウラム教授率いる研究チームが、韓国と米国の国際共同研究を通じて、肺炎症と組織損傷を効果的に抑制できる次世代地質ナノ粒子(LNP、Lipid Nano Particle)技術を開発したと10日、明らかにした。

脂質ナノ粒子とは、脂質(lipid)を主成分とする直径10nmから1000nm程度のナノ粒子で、薬物や遺伝子物質を安定的に伝達することができる。

新型コロナウイルス感染症患者の深刻な肺損傷と炎症は、好中球(neutrocyte)の過度な活性化によるものだと知られている。既存の治療剤は、薬物の速い分解と低い標的伝達効率性のため、治療効果が限定的だった。

今回の研究は、肺好中球を精密標的にすることで、新型コロナウイルス感染症と他の呼吸器疾患の好中球細胞外罠(NET、Neutrophil Extracellular Trap)に関連する合併症の副作用を、最小限に制御できることを示した初の事例である。

パク・ウラム教授は「多様な免疫調節剤を肺の特定細胞に同時に伝達できる可能性が高まった」とし、「国際協力研究を通じて、臨床適用の可能性をさらに高める計画だ」と説明した。

hjkoh@korea.kr