国立湖南圏生物資源館と国立生態院が、国際絶滅危機種であるヒガシシナアジサシのゲノムの解読に成功した=環境省
[イ・ダソム]
韓国の研究陣が、国際絶滅危機種であるヒガシシナアジサシのゲノムの解読に成功した。
環境部は、国立湖南(ホナム)圏生物資源館と国立生態院が、ヒガシシナアジサシのゲノムを分析し、約11億7000万個規模の塩基配列を染色体単位で確保したことを11日、明らかにした。
ゲノム解析は、該当種の基礎生物学研究と多様性保全研究に活用される重要なデータとなる。
国立生態院は2016年、全羅南(チョルラナム)道・霊光(ヨングァン)の六山(ユッサン)島で、韓国では初めてヒガシシナアジサシの繁殖を確認した。その後、10年間にわたって生態における分析を行ってきた。
昨年7月からは国立湖南圏生物資源館と共にヒガシシナアジサシの生態的・遺伝的情報を求めて、ゲノム解析に取り組んできた。
ゲノム解析を基に、ヒガシシナアジサシの塩基配列は、1万個のうち約5個が異なり、遺伝多様性が非常に低いことが分かった。国際絶滅危機種として知られているジャイアントパンダは1万個のうち約12個、タンチョウは1万個のうち17個が違う。
今回の研究を通して、世界的に絶滅危機にさらされているヒガシシナアジサシのゲノムを確保できた。今後体系的な復元と保全戦略の樹立に向けて、積極的に活用する計画だ。
ヒガシシナアジサシは、世界自然保全連盟(IUCN)が「危急種(CR)」として指定した珍しい海鳥である。現在、韓国を含めて中国、台湾などに約100羽のみが残っている。韓国では環境部が2022年に、絶滅危機野生生物1級として指定した。
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