科学技術

2025.09.11

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韓国の研究チームが、がん細胞を再プログラムする治療法「REVERT」の開発に成功した=アイクリックアート(上記の写真は著作権法に基づき無断転載及び再配布を禁じます)

韓国の研究チームが、がん細胞を再プログラムする治療法「REVERT」の開発に成功した=アイクリックアート(上記の写真は著作権法に基づき無断転載及び再配布を禁じます)


[コ・ヒョンチョン]

がん細胞を「正常細胞へと変換する」分子スイッチ技術が、世界で初めて開発された。

国立がんセンターは9日、生物情報研究科のシン・ドングァン教授と、韓国科学技術院(KAIST)バイオ脳工学科のチョ・グァンヒョン教授による共同研究チームが、がん細胞の再プログラミング治療法「REVERT」の開発に成功したと発表した。

研究チームは、細胞の成長や分裂を調節する遺伝子の中で、「YY1」と「MYC」が、がん細胞への変化を引き起こす「主要なスイッチ」であることを明らかにした。つまり、これらの働きを抑制することで、細胞が正常な性質を取り戻す可能性が大幅に高まるという。

従来の化学療法や放射線治療は、がん細胞を死滅させることに重点が置かれていた。しかし今回の治療法は、遺伝子の調節を通じてがん細胞を正常細胞に近い状態へと戻す仕組みに基づいている。

シン・ドングァン教授は「新しい治療法は、がん細胞の回路図を解析し、誤ったスイッチを見つけ出して正常な状態に戻す精密な技術だ」と説明した。

hjkoh@korea.kr