科学技術

2025.11.25

江原特別自治道は、2033年までに地域経済を未来産業へ転換する方針を示した。半導体、バイオヘルス、モビリティを核心産業に据え、地域ごとの特化産業育成を総合開発計画の最優先課題とする。道の競争力と魅力を高めることを目指した産業戦略だ。

江原テクノパーク新素材センターに2023年12月に導入された高温加圧焼結機。高温・高圧の環境下でセラミックや複合素材内部の気孔を減らし、素材の強度と耐久性を大幅に向上させるために使用されている。

江原テクノパーク新素材センターに2023年12月に導入された高温加圧焼結機。高温・高圧の環境下でセラミックや複合素材内部の気孔を減らし、素材の強度と耐久性を大幅に向上させるために使用されている。


[江陵 =シャルル・オデゥアン」
[写真=シャルル・オデゥアン]

韓国政府が1997年から指定・運営している「テクノパーク」は、地域産業の技術革新と経済活性化を牽引する重要な基盤と位置づけられている。19の地域に設置されたテクノパークは、企業支援や産学研ネットワークの構築を通じて、地域革新の中核的な役割を果たしている。さらに、各地域の戦略産業を実質的に支える拠点となっている。

江原テクノパークは、産業構造が分散している江原の地理的特性を地域の強みに変えた事例である。2003年の設立以来、春川(チュンチョン)ではバイオ・ヘルス、洪川(ホンチョン)では抗体医薬品素材、原州ではデジタルヘルスケア、三陟(サムチョク)では液化水素、太白(テベク)では石炭廃石資源産業など、各地域の特化分野を統合しつつ、江原型産業地帯の構築を進めてきた。

この中でも最も早く成長し、江原産業の地形を変えつつあるのが江陵(カンヌン)である。江陵はセラミック新素材産業を中心に、先端産業のサプライチェーンにおける重要な拠点として浮上している。江陵科学産業団地には、韓国でもトップクラスのインフラとなる70台余りのセラミック新素材装備が整備されている。

セラミックとは、金属と非金属を結合して高温で固めた無機材料で、耐熱性と絶縁性に優れている。電気・機械・化学・バイオ分野はもちろん、半導体装備の核心部品や高性能基板など、多様な産業で幅広く利用される。このような特性を生かし、江陵はセラミック産業を戦略軸に据えたのである。

昨年12月にオープンした「セラミックビジネス支援センター」では、セラミックの特性を生かした素材・部品の開発が活発に行われている。賃貸工場3カ所に加え、試験生産室や熱間等圧焼結機・高温加圧焼結機といった各種装備を備え、企業の研究から生産まで一貫して支援している。

品質検査室で、半導体装備用「アルミニウムナイトライド(AlN)ヒーター」部品の寸法を測定するミコセラミックスの職員。精密寸法検査は、設計基準どおりに製作されているかを確認する重要な工程である=6日、江原道

品質検査室で、半導体装備用「アルミニウムナイトライド(AlN)ヒーター」部品の寸法を測定するミコセラミックスの職員。精密寸法検査は、設計基準どおりに製作されているかを確認する重要な工程である=6日、江原道


このような基盤を最も積極的に活用している企業の一つが、半導体用セラミック部品の「ミコセラミックス」である。江原テクノパークの企業適合型支援を受け、江陵に4カ所の工場を設置して事業を展開している。全体で約600人の従業員のうち、約220人が江陵工場に勤務し、セラミックヒーターや静電チャックなどの主要部品を生産している。

ミコセラミックスのヒーター生産チーム長は、「江陵はセラミック産業の研究開発に必要なインフラが整っており、電力供給も安定しているため、入居を決めた」と述べ、「人工知能(AI)半導体産業の成長とともに、当社も持続的に成長していくだろう」と見通した。

歯科用セラミック補綴材料の企業「ハース」も、顕著な成果を挙げている。2009年にベンチャー工場に入居して以来、装備の賃貸や研究インフラを活用することで開発費用を大幅に削減し、競争力を高めた。昨年にはコスダック上場も果たし、現在は製品を75カ国に輸出している。

江原特別自治道は、このような産業基盤を足掛かりにして、2033年までに「江原圏K-半導体クラスター」の造成を目指している。春川には半導体共同研究所と共有大学が設置され、原州には韓国半導体教育院が新たに開設される。江陵はセラミック半導体素材・部品の生産における核心拠点として位置づけられる。

caudouin@korea.kr