社会

2014.08.12

韓国人最初の聖職者キム・デゴン(Andreae)は、殉教する前に信者らに送った最後の手紙に、「君たちは、たとえ体は別々でも心をひとつにし、愛を忘れず、どんな困難も耐え抜いてほしい。この世で起こることは、全て神のご意志であり、神がお与えになった賞罰だ。この迫害も神がお許しになったことだ。君たちはこれを受け入れて忍耐するのだ」と綴った。

キム・デゴン神父は、大規模なカトリック迫害が起きた1846年の9月16日にソウル市龍山区二村洞近隣の沙南基(死刑執行所)で殉教した。殉教した聖職者14人のうち11人がここで命を落とし、聖人9人の遺骨がここに安置されている。沙南基の殉教聖地や韓国で3番目に多くの殉教聖人を出したタンコゲ聖地、沙南基で殉教した聖職者らが眠る三聖山城址、法王ヨハネ・パウロ(John Paul)2世が訪れた殉教地「切頭山聖地」などがソウルの聖地巡礼の道の一つ「一致の道」だ。

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새남터성지에서 한국 천주교회 역사상 순교한 성직자 14명 중 11명이 목숨을 잃었다. 새남터성당에는 9명의 성인의 유해가 안치돼있다. (사진: 천주교서울대교구)

殉教した聖職者14人のうち11人が沙南基聖地で命を落とした。沙南基聖堂には聖人9人の遺骨が安置されている(写真提供:カトリック・ソウル大教区)



沙南基は、漢江北部の川沿いの渡船場から近い低い砂の丘にあり、朝鮮初期から国事犯ら重罪人の処刑場として使われていた。1801年5月31日に韓国に来た最初の宣教師で中国人神父の周文謨ヤコブ(Jacobus)は、ここで処刑され、沙南基最初の殉教者となった。1839年9月21日には、第2代朝鮮教区長のアンベール(Lurent Marie Joseph Imbert)ラウレンシオ(Laurentius)主教、モーバン(Pierre Philibert Maubant)ペテロ(Petrus)神父、シャスタン(Jacques Honore Chastan)ヤコブ(Jacobus)神父がここで殉教した。

アンベール主教、モーバン神父、シャスタン神父の遺骨は3日間放置された後、漢江沿いの砂浜に埋められた。信者らは死の危険も顧ず、3人の遺体を一時的に老姑山に埋めた。3人の遺骨は、ウェゴゲにしばらく埋葬された後、1843年に冠岳山の山並みにある三聖山に運ばれ、1901年11月に明洞聖堂の地下墓地に移された。3人は1984年5月6日、韓国カトリック200周年を記念して来韓した法王ヨハネ・パウロ2世によって列聖された。この3人の聖職者をはじめ103人の殉教福者の列聖式が挙行された汝矣島広場は、今は公園に様変わりし、「韓国の殉教者103人の列聖の地」であることを示す記念碑が立っている。

キム・デゴン神父の遺骨は、1901年5月23日に聖心神学校に安置され、龍山区のイエス聖心神学校の聖堂(元暁路聖堂)が完成した後、1902年6月23日に聖堂内に移された。ここは朝鮮の代牧教区長ミュテル(Gustave Charles Marie Mutel)アウグスティノ(Augustino)主教がフランス人のド・サラ(de Sarah)の支援を受けて建設した聖堂だ。

(왼쪽부터) 앵베르 주교, 모방 신부, 샤스탕 신부의 유해가 묻혔던 노고산성지와 삼성산성지, 여의도 '한국 순교자 103위 시성 터'임을 알리는 기념비 (사진: 천주교서울대교구)

アンベール主教、モーバン神父、シャスタン神父の遺骨が安置された老姑山聖地(左)と三聖山聖地(中央)、汝矣島「韓国殉教者103人の列聖の地」であることを示す記念碑(右)(写真提供:カトリック・ソウル大教区)



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용산의 예수 성심신학교 성당(원효로성당)은 한국 최초의 사제 김대건 신부의 유해가 모셔졌던 곳이다. (사진: 천주교서울대교구)

龍山区のイエス聖心神学校の聖堂(元暁路聖堂)は、韓国最初の聖職者キム・デゴン神父の遺骨が安置されていた場所だ(写真提供:カトリック・ソウル大教区)



切頭山聖地は、1984年に韓国カトリック創設200周年を記念して来韓した法王ヨハネ・パウロ2世が真っ先に訪れて敬意を表した場所だ。漢江がはっきりと見下ろせる岩山の切頭山は、1866年から7年間にわたって続いた迫害の後、「人の頭を切った山」として「切頭山」と呼ばれるようになった。

聖地は鐘塔、記念聖堂、殉教聖人の墓で構成されているほか、古文書に関する資料が保管された殉教者博物館もある。記念聖堂の屋根はヤンバン(貴族階級)の衣冠である冠の形を、鐘塔は大きな木刀の形をし、屋根の先に下げられた鎖は足かせを象徴している。聖堂の地下には、聖人28人の遺骨が安置されており、外壁には殉教者らの浮彫像が刻まれている。

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절두산 성지의 기념성당 지하에는 성인 28명의 유해가 모셔져 있다. (사진: 천주교서울대교구)

切頭山聖地の記念聖堂の地下には、聖人28人の遺骨が安置されている(写真提供:カトリック・ソウル大教区)



タンゴゲ聖地は、韓国で3番目に多くの殉教聖人を出した場所だ。この地域は、民間人が法事を行う祠堂があることから「タンゴゲ」と呼ばれるようになり、1839年の迫害の際、10人のカトリック教徒がここで命を落とした。その多くは家族で、10人のうち9人が聖人に認定された。2011年9月4日に建てられた聖地1階に記念聖堂があり、屋根の上には芝の庭園がある。

タンゴゲ聖地のクォン・チョロ・ダニエル神父は、「殉教聖地を建てながら、首切りの刃を突きつけられても心は穏やかだった聖人らに出会った。聖人らは、首切りの刃ではなく、神がいらっしゃる天を見た。それがひどい嵐のなかでも平和を保てる力になった」と話す。

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한국에서 세 번째로 많은 순교자를 배출한 당고개 순교성지(위)와 기념성당 지붕 위 잔디마당의 성모마리아상(아래) (사진: 천주교서울대교구)

韓国で3番目に多くの殉教者を出したタンゴゲ殉教聖地(上)と記念聖堂の屋根の上にある芝の庭園の聖母マリア像(下)(写真提供:カトリック・ソウル大教区)



서울 순례길 '일치의 길'의 지도

ソウルの巡礼の道「一致の道」の略図



コリアネット イム・ジェオン記者
jun2@korea.kr