米カリフォルニア州ヨセミテ国立公園にそびえ立つ絶壁を手足だけで登りきった米国人男性クライマー2人に、韓国メディアが注目している。
韓国主要メディアは、米国のケビン・ジョージソンさんとトミー・コールドウェルさんが先日、エルキャピタンのドーン・ウォールと呼ばれるルートを自分の手足だけを頼りに登頂したと報じた。二人は昨年12月28日、高さ914メートルの垂直の岸壁を登り始め、墜落防止用に体に結びつけたロープ以外の道具を一切使わず、素手での登頂という世界初の快挙を成し遂げたと紹介した。
今月16日、ヨセミテ国立公園の「ドーン・ウォール」制覇について取り上げた韓国メディアの記事。
韓国日報は、今月16日「難攻不落といわれる巨岩の絶壁、人間の執念に負けた」という内容の記事で、「2009年からまるでモビーディック(小説『白鯨』に登場する巨大な白いクジラ)を追うように執念を燃やしながら訓練にまい進し続けてきた」とし、不可能に挑むため5年もの年月を費やし準備を重ねたと報道した。ソウル新聞は「人質生活、失語症の克服……『不可能を越えた』」という見出しの記事を載せ、世界日報は「指が9本のクライマーがロッククライミングの歴史を変えた」と評価した。
韓国メディアは、エルキャピタンは花崗岩の一枚岩としては世界最大規模であり、ロッククライマーなら誰もが憧れる聖地のようなところであるとし、東南側にある「ドーン・ウォール」は最難関ルートとされると説明した。さらに、15ピッチ目でトミーさんは比較的簡単に登ることができたが、ケビンさんは一週間で11回も途中で落ち、ボロボロになった血まみれの指が治るのを待ちながら二日間過ごした後、9日目でやっと同区間を通過することができたと報じた。
ソウル新聞は、「『ドーン・ウォール』の登頂がさらに意味深いのは、制覇するのは、今までほぼ不可能とされてきたからである。世界で最も難しいロッククライミングとして永遠に歴史に残るだろう」と付け加えた。
韓国メディアは、2001年にのこぎりで誤って左手の人差し指を切断してしまったトミーさんが誰もが無謀と考えた手足のみでの登攀に挑み見事成功したとこと、そして医師にはクライマー以外の別の職業に就くよう勧められてきたが、あきらめなかった彼の強い意志を報じた。
コリアネット イム・ジェオン記者
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