社会

2016.09.08

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韓国語-ポーランド語の辞書作りを手掛けるワルシャワ大学韓国学科のアンナ・パラドヴスカ教授。彼女は辞書編纂作業を通して韓国語だけでなくポーランド語についてもより深く学ぶことができたと話す





「ポーランドにはもちもちした食べ物がないんです」

ポーランド・ワルシャワ大学韓国学科のアンナ・パラドヴスカ(Anna Paradowska)教授は、韓国語の形容詞を適切なポーランド語に移しにくいと話し、「もちもちした(쫄깃쫄깃하다)」という形容詞を例に挙げた。

パラドヴスカ教授は、昨年から韓国学中央研究院の支援で韓国語-ポーランド語の形容詞・動詞辞書の編纂作業を進めている。韓国語-ポーランド語の辞書が編纂されるのは今回が初めて。これまでポーランドの韓国語学習者たちは韓英辞書を使って勉強していた。

韓国語の語彙をすべてポーランド語に移すのは大がかりな作業となるため、まずは形容詞と動詞から取り掛かることにしたという。ポーランドの韓国語学習者が最も難しいと感じるのが形容詞だという点も背景にある。彼女は「今回の韓国語-ポーランド語形容詞辞書は韓国語-ポーランド語大辞書作りの第1ステップ。韓国語を学ぶ生徒に大きく役立つだろう」と話した。

パラドヴスカ教授は韓国語の形容詞を説明できる正確で適切なポーランド語の表現を見つけることが作業を進める上で最も難しい点だという。1対1で対応する単語がポーランド語になかったり、ポーランド人としては単語の感覚がわからなかったりする場合もある。彼女は「例えば熱いものを食べたのに『涼しい、爽やかだ(시원하다)』と言うことや、「頑丈だ(단단하다)」と「固い(딱딱하다)」の違いがわからないことがある。『短い(짧다)』と『短目だ(짤막하다)』、『涼しい(시원하다)-ひんやりしている(서늘하다)-涼しげだ(선선하다)』なども同じケースだ」と説明する。

一方でやりがいも大きく感じている。パラドヴスカ教授は「研究員は皆長い間韓国語を学び、教え、研究してきた人たちだが、今回を機にさらに韓国語について深く理解できるようになったということが、何より大事でやりがいを感じる点」だと作業の意義について語った。また、「今回の作業を通じて韓国語だけでなく母国語のポーランド語についてもより深く学ぶことができたほか、2つの言語の違いは何なのかさらに明確に認識する機会となったので、今後の韓国語教育や研究において大いに役立つはず」と自信を見せた。

韓国学中央研究院によると、韓国語-ポーランド語形容詞・動詞辞書は2017年から電子書籍として出版される。東洋言語の辞書が電子書籍としてポーランドで刊行されることもやはり初めてのこと。ポーランドでは韓国学への関心が高まっており、韓国語や韓国学を教える大学や機関も年々増えている。パラドヴスカ教授が在籍しているワルシャワ大学の場合、韓国学科が東洋学大学傘下から2015年10月に独立。学生数は110名に上る。研究交流も活発で、10月には「中東欧韓国学会」がポーランド・ポズナン市のアダム・ミツキェヴィチ大学で開催されるほか、11月にはワルシャワ大学でも韓国学セミナーの開催が予定されている。

「ポーランドを含め中東欧では韓国小説や韓国ドラマだけでなく韓国の音楽、ダンスへの関心が高く、韓国語を学びたいという人がたくさんいます。韓国学を勉強して多くの人に韓国について知ってもらう良いチャンスでもあるので、私たちがより積極的にその役割を果たすべきだと思っています」

コリアネット チャン・ヨジョン記者
写真:韓国学中央研究院
翻訳:イ・スミン
icchang@korea.kr