社会

2016.10.14

朝鮮日報は7日に「物理学徒出身の難民の父、世界を率いる」と題した記事で次の国連事務総長に選出されたアントニオ・グテーレスポルトガル元首相のニュースを大きく取り上げた

朝鮮日報は7日に「物理学徒出身の難民の父、世界を率いる」と題した記事で次の国連事務総長に選出されたアントニオ・グテーレスポルトガル元首相のニュースを大きく取り上げた



10年間国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の高等弁務官を務めたアントニオ・グテーレス元ポルトガル首相が、13日の国連総会で次の国連事務総長に公式選出された。

韓国のメディアも7日に事実上次の国連事務総長として確定したグテーレス元総理のことを大きく取り上げた。

朝鮮日報は「物理学徒出身の難民の父、世界を率いる」と題した7日付けの記事で彼の公式選出を歓迎し「国連事務総長として彼に与えられた一番の課題は5年間25万人の死亡者を出したシリア内戦の解決だろう」と報じた。

中央日報も7日に「難民の父グテーレス、中国による北韓難民(以下、脱北者)の強制送還を批判」と題した記事で「脱北者問題にも深い関心を示した。脱北者らは北韓に戻されると処罰や迫害を受ける危険の大きい『現場難民(refugee sur place)』とし、中国政府による脱北者の強制送還を強く批判してきた」というグテーレスの意見を紹介した。

他にも京郷新聞、東亜日報、韓国日報でも「次の国連総長に難民の父グテーレス」「国連次の事務総長のグテーレス、ポルトガル元首相の難民専門家」「潘基文後任の国連総長は難民専門家のグテーレス」と彼の履歴を大きく取り上げた。

中央日報は8日付の紙面で「難民の父グテーレス、中国による脱北者の強制送還を批判」と題した記事でUNHCRの 高等弁務官として脱北者問題や中東で発生した最悪の難民危機の解決に貢献したグテーレスの実績に注目した

中央日報は8日付の紙面で「難民の父グテーレス、中国による脱北者の強制送還を批判」と題した記事でUNHCRの 高等弁務官として脱北者問題や中東で発生した最悪の難民危機の解決に貢献したグテーレスの実績に注目した



リスボン生まれのグテーレスは物理学と電気工学を学んだ科学徒だった。大学時代の夢は物理学博士になることだったが、スラム街でボランティア活動をしたことが契機となり政治家に転じた。その後、1995年から2002年にかけて社会党の党首としてポルトガル首相を歴任、2005年6月から10年以上国連難民高等弁務官としてシリア・アフガニスタン・イラクの難民問題解決に努めた。彼は先進諸国が難民を助けるためにより大きく貢献すべきだと持続的に主張してきた。

13日に米国の国連本部で次の国連事務総長としてグテーレスが選出されると、潘基文国連事務総長は「紛争、人道主義による苦痛のように彼を必要とする最前線の現場でよく知られる人物。彼の政治的才覚が共同善に向けた協力、人類の責任共有を追求する国連でも発揮されるだろう」とコメントした。

国連駐在のサマンサ・パワー米国大使も「経験とビジョンがあり、融通の利く候補が選出された。ポルトガルとUNHCRでの献身が感銘的だった結果」と評価した。

グテーレス元首相は5日に国連安保理で事務総長に内定した後「紛争やテロの犠牲者、人権を侵害されたり貧困と不平等を経験する人々のために尽くしていく」と述べた。彼は今年の12月31日付けで任期を終える潘基文事務総長の後任として来年1月1日から5年間国連を率いることになる。

コリアネット ソン・ジナ記者
翻訳:イム・ユジン
ginason@korea.kr