腹腔鏡手術を受けて回復中のエジプト人シャナン・ムハンマド氏が主治医と相談している=ソウル峨山病院
[ソ・エヨン、イ・ギョンミ]
#例1
肝臓に多発性腫瘍ができた外科医シャナン・ムハンマド(30歳、エジプト)氏は7月、韓国の病院で腹腔鏡手術を受けて健康を回復した。エジプトには手術機械も、医療スタッフもあまりいない。しかし、韓国で手術を受けたことで、小さな痕だけ残し、合併症も予防した。
シャナン氏は「エジプトとは全く違う文化について心配したが、病院でムスリム患者のためにハラルフードや礼拝室まで用意してくれて治療に集中することができた」と話した。
#例2
アウン・スノン(30歳、ミャンマー)氏は子どもの頃から不正咬合のせいで顔の歪みが大きく、食べ物をよく噛むことができなかった。スモン氏4月に韓国の病院で治療期間を大幅に短くする「先手術後矯正」両顎手術を受けて、整った顔になった。
スノン氏は「歪んだ顔のせいで人々に会うのが自信なくて苦しかった。しかし、韓国に来て1カ月で生まれ変わった気分だ」とし、「韓国の技術に本当に驚いた」と感謝の気持ちを伝えた。
シャナン氏とスモン氏の共通点は、韓国の病院を訪れた医療観光客であること。韓国に滞在するうちに空港送迎サービスや宿泊、通訳サービスが提供されるワン・ストップサービスを受けた。また、健康状態によって観光・レジャー・文化体験なども楽しめた。
仁川ナザレス国際病院で漢方診療を受ける外国人患者=仁川観光公社
保健福祉部によると、韓国の医療観光は2009年に外国人医療観光客の誘致が許されてから2017年まで、約5倍増えた。サービス分野は、整形外科・皮膚科などが主に人気を得ているが、最近は人間ドックや 重症疾患の治療、漢方医など、その分野が拡大している。また、中央アジアや東南アジア、中東地域の観光客も増えている。
外国人患者は、韓国医療観光の一番の強みとして高水準の医療技術を挙げた。
シャナン氏は「医師の私が治療のために韓国を訪問するということは、韓国医療技術への信頼が厚いことを意味する」とし、「韓国の医療スタッフが難しい手術をほぼ完璧に行った」と話した。
水準の高い医療技術や設備に比べ安い医療費も大きなメリットだ。
サムエル・グリーン(41歳、米国)氏は、「米国は医療保険以外にがんや眼科保険を提供しない。そういう面から韓国を選んだ」と話した。
韓国政府はこれまで、医療観光を育成するため持続的に支援してきた。
医療観光ビザや外国人患者誘致医療機関評価指定制度(KAHF)の導入、外国人患者受け入れ機関登録や医療賠償責任保険の加入を義務付けるなど医療サービスの質が大幅に改善された。
世界の高齢化と医療技術の発展により、医療観光は持続的に成長する見通しだ。韓国観光公社のチュ・ソンヒ医療ウェルネスチーム長は、「韓国は優秀な医療スタッフ、技術やシステムを土台に世界医療観光市場で注目されている」とし、「国ごとの特徴を把握して特化戦略を立てれば、外国人を満足させる分野に成長する」と述べた。
xuaiy@korea.kr