社会

2020.08.12

東京新聞の8月11日付け社説


[イ・ギョンミ、キム・ウニョン]

元徴用工問題をめぐり、韓日の対立が深刻な事態に陥っている中、東京新聞が日本に対し、歴史に謙虚になるべきだと主張した。

東京新聞は、11日付け社説『<戦後75年>日本と韓国 歴史の「影」を忘れない』で、「どの国の歴史にも、光と影が交錯している」とし、「日本では輝きばかりを選んで語ることが増えているようだ」と批判した。

それから、日露戦争について「植民地支配の下にあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけた」と強調した5年前の安倍首相の戦後70年談話を取り上げながら、日本が負の歴史から目をそらしていると指摘。

今年6月、一般人に公開された「産業遺産情報センター」(東京都新宿区)の展示内容について「物議を醸している」と述べた。

社説で「韓半島出身の労働者が過酷な労働を強いられ、差別的な待遇を受けていたとの証言は少なくない」とし、14歳で端島に送られ、長崎で原爆被害に遭った徐正雨(ソ・ジョンウ)さんの証言を紹介した。「狭い部屋で7~8人が生活し、落盤の危険のある坑道で働かされた。体を壊して仕事を休もうとすると、リンチを受けた」との内容。東京新聞は「こういった多様な記憶全体が島の歴史であり、価値でもある」と評価した。

また、元徴用工問題についても、日本政府の方針を批判した。「日本政府は1965年の協定で解決済みとしている」とし、「法律や協定を理由に突き放す前に、当時の苦痛に共感する姿勢を示していれば、状況は変わっていたかもしれない」と指摘した。その上で、日本政府に対し「まず歴史に謙虚になる必要がある」と呼びかけた。

世界的ベストセラー「銃・病原菌・鉄」の筆者であるジャレド・ダイアモンド氏が日本に対し、アドバイスしたことも紹介した。「感情抜きの謝罪文を何回読んでも相手は納得しない」とし、「中国や韓国が日本を信用し、怖がらないように絶えず話しあうことだ」と日本に伝えた。

東京新聞は「足を踏んだ人は、踏まれた人の痛みが分からない」とし、「戦後75年が過ぎても、歴史をめぐってまた相手の足を踏むような行為をしていないか、立ち止まって考えたいものだ」と強調した。

km137426@korea.kr