社会

2021.07.23

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(左上から時計回りに)アップルマンゴーピンス、シャインマスカットピンス、東大門黒ゴマ小豆ピンス、スイート・ヴィーガンピンス


[キム・ヨジン、イ・ギョンミ]

猛暑が続く最近の韓国。ピンス(かき氷)の季節が来た!
ピンスの種類は様々だが、夏に食べる韓国の定番のかき氷といえば、ふわふわしたかき氷の上に、小豆や餅をのせて食べるパッピンス(小豆かき氷)。

夏本番を迎え、ソウル市内の高級ホテルは、高価で豪華なかき氷の販売に乗り出している。アップルマンゴーやシャインマスカット、ココナッツ、メロン、パイナップル、ブルーベリー、黒ゴマなど、高級食材を使った、いわゆる「プレミアムなピンス」。10万ウォン(約9600円)もするピンスもある。

ソウル新羅ホテルの「アップルマンゴ―ピンス」は、ソウル市内の高級ホテルで販売されている豪華ピンスの発祥ともいわれる。もともと、済州(チェジュ)島の新羅ホテルが2008年、地域の食材を発掘する事業の一環で作ったピンスで、2011年からソウル新羅ホテルでも販売を開始。当時の値段は2万9千ウォン(約2800円)で、カフェで販売されるピンス(約1万ウォン)の約3倍の値段だった。高価という点が逆に話題を呼び、今は長蛇の列ができるほど人気を博している。

その後、ソウルの他の高級ホテルも高価で豪華なピンスの販売に参入。経験を重んじる若者から好反応があったことも影響し、プレミアムなピンスの販売競争に火が付いた。仁荷大学・消費者学科の李銀姫(イ・ウンヒ)教授は「高価なピンスを食べるということは、経験消費の一つ」とし、「若い世代にとって高いピンスは、たんに食べるという行為だけではない。ホテルのラグジュアリーな雰囲気や非日常を味わったり、その写真を撮ってSNSにアップするなど、その過程そのものが楽しい経験」と説明した。

高級ホテルが高価なピンスの販売に力を入れている背景には「宣伝効果」がある。李教授は「SNSに慣れている若者の投稿が宣伝になる」とし、「ピンスを食べにホテルを訪問し、そのホテル内のレストランを利用したり、泊まったりするなど、見込み顧客になる効果もある」と説明した。

ソウルの高級ホテルが掲げる目玉のピンスを紹介する。

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▲ ソウル新羅ホテルの「アップルマンゴーピンス」=ソウル新羅ホテル


ソウル新羅ホテル 「アップルマンゴーピンス」


ソウル新羅ホテルのシグネチャーメニュー「アップルマンゴーピンス」。牛乳で作った氷を削り、済州島産のアップルマンゴ―をたっぷり入れた。6万4千ウォン(約6100円、税込)

▲ 사진 = 조선 팰리스

朝鮮パレスホテルの「シャインマスカットピンス」=朝鮮パレスホテル


朝鮮パレスホテル 「シャインマスカットピンス」


シャインマスカットをたっぷりのせ、フルーツそのものの味を強くアピールしたピンス。心地い清涼感が感じられる。一日20食限定で、9万8千ウォン(約9400円、税込)。

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スイート・ヴィーガンピンス=グランドインターコンチネンタル・ソウル・パルナス


グランドインターコンチネンタル・ソウル・パルナスの「スイート・ヴィーガンピンス」


世界的にも、韓国でも増えている菜食主義者をターゲットにしたピンス。アーモンドミルクで作った氷を削った後、プルーンやナツメヤシ、グラノーラ、ライムのシャーベットをのせた。甘くてとても爽やかなピンス。4万5千ウォン(約4300円、税込)、1人前は2万7千ウォン(約2600円)。

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ココナッツ・マンゴーピンス=シグニエル・ソウル


シグニエル・ソウルの「ココナッツ・マンゴーピンス」


シグニエル・ソウルの「ココナッツ・マンゴーピンス」は、ココナッツの果肉が入った氷を削り、その上にマンゴーをのせたもの。6万2千ウォン(約6千円、税込)。

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東大門黒ゴマ小豆ピンス=JWマリオット東大門スクエア・ソウル


JWマリオット東大門スクエア・ソウルの「東大門黒ゴマ小豆ピンス」


「東大門黒ゴマ小豆ピンス」は、東大門の形をしているホワイトチョコレートをのせたかき氷。黒ゴマと小豆が何層にも重なっており、甘みと香ばしい香りが魅力的。5万4千ウォン(約5200円、税込)。

lvzhen@korea.kr