社会

2021.11.02

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小学校の運動会=4月、全羅南道・順天、楽安小学校


[順天=キム・ヨジン、キム・ウニョン]

最近、田舎暮らしを希望する人が増えている。きっかけは、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響だ。オンラインでの授業やテレワークが当たり前になった反面、旅行に行けず、自然に触れることが難しくなったからである。


金惠熙(キム・ヘヒ)さんは3月、ソウルから子ども二人と全羅南道・順天市に移住し、田舎暮らしを始めた。この1年間、学校へ行けず自宅で勉強する子どもたちを見ていた金さんは、「今しかない」と山村留学を決意した。子どもたちは、豊かな自然にあふれる環境で充実した毎日を過ごしている。ソウルで職場に通う父は週末に会いに来る。


金さんの息子、李敍好(イ・ソホ)さん(9)は「最初は来たくなかった」とぽろりと本音を言った。「ソウルではオンライン授業だけだった。でも今は学校にも通えるし、友だちと自然体験ができてうれしい」とし、「転校は半年の予定だったが、さらに半年を延長する」と話した。


吳秀貞(オ・スジョン)さんも息子と一緒にソウルから同市に移住した。「自然にあふれる環境で息子を育てたい」と思ったからだ。


吳さんの息子、尹偲候(ユン・シフ)さん(10)は「ソウルではできない運動会と自然体験ができて楽しい」とし、「システムなどの学習環境設備も整っている」と田舎暮らしへの満足感を口にした。


楽安小学校の教師、崔炯九(チェ・ヒョング)さんは「自然体験に参加する子どもは、小さなことでもすぐ感動する」とコメントした。多くの人々が「山村留学プログラム」を通じて田舎暮らしを満喫しているという。


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自然体験を行う学生ら=10月、全羅南道・順天、楽安小学校


ソウル市と全羅南道の教育庁は昨年12月、「山村留学プログラム」の制度作りで、協定を結び、田舎暮らしを後押ししている。学校教育の振興や地域の活性化を図ることを目的とする。ソウル在住の小学生147人が全羅南道に転校し、半年以上にわたって、四季を通した自然体験、地元との交流などに参加する。主な滞在方法は、ホームステイ、寮、アパート(家族)などだ。ソウル市と全羅南道が費用の一部を負担している。学生一人当たり、1カ月60万ウォン(約5万8千円)を支援する。

▲ 낙안초 학생들이 승마, 골프 체험을 하고 있다.

乗馬を体験する学生(左、楽安小学校)とゴルフを体験する学生(右、キム・ヨジン撮影)


韓国の山村留学は、海外からも注目されている。朝日新聞は8月付けの記事で「競争社会の疲れを癒やしたり新型コロナから一時的に疎開したりすることに使われている」と紹介している。BBCは6月付けの記事で、「コロナ禍でも小さな山村には活気があふれている」と報じた。

lvzhen@korea.kr