「お別れしない」の表紙(左)、韓江作家=文学トンネ
[オ・グムファ]
韓国の女性作家、韓江(ハン・ガン)氏の長編小説「お別れしない(原題)」がフランスのフェミナ外国文学賞と、メディシス外国文学賞の最終候補に選ばれた。
出版社の文学トンネの発表によると、同作品のフランス語版は24日、フェミナ外国文学賞の最終候補5作の中に入った。同賞には、かつてイ・スンウ、ファン・ソギョンがノミネートされたことがある。
18日にはメディシス外国文学賞の最終候補9作に選定された。韓作家は2017年、「ギリシャ語の時間」でも同賞の最終候補に選ばれたことがある。
「お別れしない」は、韓作家が長編小説「菜食主義者」で英文学賞のブッカー国際賞を受賞して以来、5年ぶりに出した長編小説。済州(チェジュ)4・3事件の悲劇を、「ギョンハ」「インソン」「ジョンシム」という3人の女性の視点で描いた作品だ。
フランス語版のタイトルは「不可能な別れ(Impossibles adieux)」。チェ・ギョンラン氏とPierre Bisiou氏が共同で翻訳作業を行い、今年8月にフランス出版会社「Grasse」が初めて翻訳版を出版した。
フランス日刊紙「ル・モンド」は同作品について、「1ページから夢と現実の間に存在する連続体を、ユニークで信ぴょう性ある精神的空間を作っている」と紹介した。
フェミナ賞とメディシス賞は、ゴンクール賞、ルノード―賞と共にフランス4大文学賞と呼ばれる、権威のある文学賞である。1904年に創設されたフェミナ賞は、女性のみからなる審査員により毎年決定されるが、受賞者は女性に限らない。1985年にフェミナ外国文学賞が作られた。メディシス賞は1958年創設され、才能に見合う名声をまだ得ていない作家に贈られる。1970年にメディシス外国文学賞が作られた。
受賞者は、来月6日(フェミナ賞)、9日(メディシス賞)に発表される。
韓作家は、「採食主義者」で英文学賞のブッカー国際賞を受賞し、2017年には「少年が来る」でイタリアのマラパルテ文学賞を受賞した。2018年には「菜食主義者」でスペインのサン・クレメンテ文学賞を受賞し、「白い」でブッカー国際賞最終候補に選ばれた。
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