6月15日~16日に韓国文化研修院で、プログラムが開かれた。写真は、1対1のローテーションで話し合う参加者の様子=忠清南道・公州市、大韓仏教曹渓宗社会福祉財団
[アフメトジャノヴァ・アイスル]
お寺で合コンをして、政府の支援を受けてデートをする。博物館や公園で結婚式を行い、新居の家賃は月1万ウォン。夢のような話だが、韓国ではこのような恋愛や結婚式も行われているのだ。
「2023年人口住宅総調査」によると、昨年の韓国の総人口は(韓国人基準)4984万人で、前年に比べて10万1000人(0.2%)減少した。2021年以降、毎年減少傾向にある。昨年の合計出生率は0.72人を記録し、2022年(0.78人)に比べて0.06人減り、過去最低を更新した。昨年の婚姻件数は19万4000件。この10年間で40%も減少した。
韓国では、恋愛や結婚を諦める若者が増えている。人口は減少の一途をたどり、少子化が深刻な社会問題となっている。大統領は、「人口非常事態」を宣言した。
韓国政府は、人口減少の危機を乗り越えるために、人口戦略企画部を新設した。全国の地方自治体や民間団体も積極的に乗り出している。仏教界も例外ではない。恋人のいない未婚男女のために、お見合いなどを主催している。多様なプログラムや政策を通して、人口を増やすために力を尽くしている。
9日、忠清南(チュンチョンナム)道・唐津(タンジン)から来た男性とソウルから来た女性が、お寺で出会い、カップルになった。きっかけとなったのは、大韓仏教曹渓宗(チョゲジョン)社会福祉財団が行った、テンプルステイと合コンを組み合わせたプログラムだ。20~30代の未婚男女を対象に、出会いのチャンスを提供する。参加者たちは1泊2日の日程で、お寺で過ごしながらお互いについて知り、両想いの場合にはカップルになる。
9~10日に行われた5回目のイベントには、参加希望者が1510人に達した。倍率は、過去最高である70倍。最終的に選抜された参加者10組のうち、6組のカップルが誕生した。このプログラムは、先月11日に少子化問題の解決に貢献したとして、大統領から表彰された。
釜山(プサン)市も、若者の恋愛について積極的に取り組んでいる。釜山・沙下(サハ)区では10月に、未婚の男女(外国人も含む)に出会いの場を提供するイベントを行う。書類選考で選ばれた参加者を対象に、合コンを主催する。カップルになったら、50万ウォンを提供する。両家の顔合わせの際には、1人当たり100万ウォンを提供する。結婚式の際には、祝儀として2000万ウォンが贈られる。その他にも、新居の家賃を1カ月に80万ウォン(最大5年間)支援を行う。傳貰(チョンセ、家主に一定金額を保証金として預けて、1年~2年の賃貸借契約後に使用する韓国の制度)の場合は、保証金3000万ウォンを支援する。
結婚式場として無料で借りることができるクァンナル・バラウォン公共結婚式場(左)とボラメ市民安全体験館=「ソウル・マイウェディング」からキャプチャー
ソウル市は、28の公共施設を結婚式場として利用できるようにした。民間で運営される結婚式場の場合、使用料が負担になるからだ。ソウル歴史博物館の広場、世宗(セジョン)文化会館のイェインマダン、ソウル水再生施設公団のマル公園、ソウル水再生公園、麻谷(マゴク)広場などの22カ所を無料で利用できる。屋内での結婚式(6カ所)はもちろん、野外での結婚式(16カ所)も可能だ。さらに、備品購入費として、結婚式1件当たり、100万ウォン以内の支援金が補助される。
新居の心配もいらない。各地方自治体は、新婚夫婦が住居にかかる費用を軽減できるように、多様な支援政策を行っている。
仁川(インチョン)市は、来年から新婚夫婦に一日に1000ウォンで借りられる住宅を年間1000軒供給する。支援の対象になるのは、結婚予定のカップルや結婚して7年以内の夫婦だ。最大6年まで1日1000ウォン、1カ月に約3万ウォンの賃貸料で住むことができる。
全羅南(チョルラナム)道・和順(ファスン)郡は、1カ月に1万ウォンの住宅を提供する。和順郡がマンションを借り、若者や新婚夫婦に月1万ウォンで安く転賃借する。全羅南道は、人口減少地域である高興(コフン)・宝城(ポソン)・珍島(ジンド)・新安(シナン)郡に1000世帯の住宅を建てる計画だ。
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