社会

2025.09.25

「世界市民教育―ベトナム編」に参加し、ベトナムの伝統料理「バインミー」作りを体験する生徒たち=11日、ソウル

「世界市民教育―ベトナム編」に参加し、ベトナムの伝統料理「バインミー」作りを体験する生徒たち=11日、ソウル


[ソウル=テレシア・マーガレット] 
[写真=イ・ジョンウ]

11日午後1時、ソウル・永登浦(ヨンドゥンポ)区のグローバル青少年教育センター講堂。

生徒たちはパンを割り、中に具材を詰め、パクチーやニンジンのピクルスを丁寧にのせていく。具がはみ出すと笑い合い、互いの皿をのぞき込みながら味を確かめる姿も見られた。

この日は「世界市民教育-ベトナム編」の特別授業に参加した20人余りの青少年が、ベトナム文化を学びながら、伝統料理の「バインミー」作りに挑戦した。

互いの表情を見つめ、慣れない文化を少しずつ身につけていく彼らは、いずれも韓国に移住し、途中から学校教育に加わった「中途入国青少年」だ。

「中途入国青少年」とは、外国で育ち、両親とともに韓国に来た多文化家庭の子どもや、在外同胞、専門人材、永住権者の子どもを指す。さらに、韓国人と外国人の間に第3国で生まれた子どもも含まれる。

彼らにとって公教育への参加は決して容易ではない。言語の壁や教育制度への理解不足、文化的なアイデンティティの葛藤が理由だ。入学に苦労しても授業についていけなかったり、学校生活に馴染めず途中で離脱する生徒も少なくない。こうした問題を解決するため、ソウル市は「ソウル市グローバル青少年教育センター」を設立した。

ソウル市グローバル青少年教育センターのシン・ヘヨンセンター長

ソウル市グローバル青少年教育センターのシン・ヘヨンセンター長


ソウル市グローバル青少年教育センターのシン・ヘヨンセンター長は、同センターを「中途入国青少年が韓国社会に安定して定着し、公教育に進むための支援を行う重要な施設」と紹介した。さらに、「韓国語教育だけでなく、文化体験や進路相談、一般相談などの多様なプログラムを通じて、彼らの社会適応を支えている」と付け加えた。

センターが他の機関と異なる点は、「検定試験対策班」を設けていることだ。中途入国青少年が中途入国青少年が高校課程を修了した後、大学へ進学できるよう、実践的な支援を行っている。

安心して過ごせる居場所となるよう、すべてのプログラムを丁寧に作り運営している。ここで出会う友人は、初めて韓国を訪れた彼らにとって最も身近な存在だ。

中途入国の青少年たちがサークル活動で制作した作品を紹介するシン・ヘヨンセンター長=11日、ソウル

中途入国の青少年たちがサークル活動で制作した作品を紹介するシン・ヘヨンセンター長=11日、ソウル


中途入国青少年の数は毎年増加傾向にある。ソウル市によると、全国の中途入国青少年数は2014年の5604人から、昨年は1万1987人に増加した。10年で約2.1倍に増えたことになる。それだけに、センターの役割はますます重要になっている。

シン・ヘヨンセンター長は「青少年がセンターでの活動を通じて、韓国社会の一員として自分を認識し、自尊心を取り戻すきっかけになればと願っている」と話す。また、「彼らが主体的な社会の一員として成長することを望んでいる」と語った。

margareth@korea.kr