2015年クァンジュ(光州)夏季ユニバーシアード競技大会で、女子飛び込み選手たちの感動ストーリーが伝えられている。
女子高飛び込みでは国際大会初出場の新鋭、王英(Wang Ying)選手(中国)が優勝した。今大会でまた新しいスターが誕生したのだ。その一方では、これまでスポットライトを浴びることのなかった選手の地道な努力がついに実を結んだ。幾多の挫折を乗り越えて銅メダルを獲得した中川真依選手(日本)だ。
5日に光州市のナムブ(南部)大学国際プールで行われた女子高飛び込み決勝。一人の中国人選手の試技に客席からどよめきが起こった。王英選手だ。彼女は合計 345.0ポイントで優勝した。

女子高飛び込みで優勝した王英選手の試技

金メダルを首にかけて記者会見に臨む王英選手
1995年生まれの王英選手は、6歳のときに飛び込みのコーチの目に留まり、体育学校(重慶市)の飛び込みクラスに入学する。それまで水泳を習ったことのなかった王英選手は、両親の元を離れ、飛び込み専門学校で寮生活を送りながらトレーニングを受けた。
幼少から両親と離れて暮らすことになった王英選手だが、寂しがっている暇などなかった。朝から夕方まで休む間もなく続くトレーニング。3年後、王英選手は最年少で重慶市代表選手となる。
王英選手は「飛び込みは、わずかなミスで顔が腫れたり、あざができたりする。一番ひどかったときは、目が腫れて開けることもできなかった。‘パンダの目’になることもしばしばだった」と語る。
18歳になった2007年、ついに全国飛び込み選手権大会に出場することになった。王英選手は、1回目の試技で高得点をあげたが2回目の試技でミスを犯し、それが響いて8位以内に入ることもできなかった。しかも、この大会で王英選手に一つのジンクスができた。一般の大会ではいつも好成績をあげるが、ワンランク上の大会に出場すると、決まってミスを犯し、高得点をあげられないことだ。
なかなか好成績をあげられない中、王英選手は2013年の国体にすべてをかけ、競技だけに集中すると決心する。その結果、重慶市で行われたアリーナカップ全国青年飛び込み選手権大会で女子個人総合3位という成績を収めた。
自信を取り戻した王英選手は、今回の光州夏季ユニバーシアード競技大会でも、女子高飛び込みで1位、女子シンクロ高飛び込み(10m)で3位という堂々の成績を収めた。国際舞台に向かう第一歩を踏み出したのだ。
日本の中川真依選手も、目標にしていたメダル獲得を達成した。金ではなく銅メダルだが、彼女にとっては再起を意味する価値あるものだ。
東京都出身の中川選手が初めて出場した大会は「Speedo USA飛び込みグランプリ」だ。中川選手は女子高飛び込みで、準々決勝では10位、準決勝では5位と、勝ち進むたびに得点を伸ばしていった。女子シンクロ高飛び込みでは2位だった。

女子高飛び込みで銅メダルを獲得した中川選手の試技

中川真依選手
中川選手の記録はさらに技を磨き、2006年にカタール・ドーハで開催されたアジア競技大会の女子シンンクロ高飛び込み(10m)で銀メダルを獲得した。
彼女はついに夢だった2008年北京五輪に出場するまでになった。女子高飛び込み(10m)の予選で9位につけ、決勝に進出したものの11位に終わった。その後、自分との戦いに勝たなければならない試練のときが続いた。2012年ロンドン五輪でも、中川選手は女子高飛び込みで準決勝まで進んだが、惜しくも18位にとどまり、決勝には進出できなかった。
しかし、中川選手はあきらめなかった。今大会の女子高飛び込みでついに銅メダルを獲得し、これをステップにまた来年のリオデジャネイロ五輪に挑もうとしている。
コリアネット イム・ジェオン記者
写真提供:光州夏季ユニバーシアード競技大会組織委員会
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