文化

2014.01.10

100年間にわたって世界各地を転々とした朝鮮後期の仏画がついに祖国に帰還した。その仏画とは、説法する釈迦牟尼の左右に菩薩が描かれた「釋迦三尊図」で、縦横ともに3メートルを超える大型仏画だ。国外所在文化財財団は、米バージニア州ノーフォークのハーミテージ博物館(Hermitage Museum&Gardens)から返還された「釋迦三尊図」を7日にソウル国立中央博物館で公開した。

100년 만에 돌아온 석가삼존도 (사진: 국외소재문화재재단)

100年ぶりに韓国に帰還した「釈迦三尊図」(写真提供:国外所在文化財財団)


7일 국립중앙박물관에서 석가삼존도가 공개됐다. (사진: 국외소재문화재재단)

7日、国立中央博物館で「釈迦三尊図」が公開された(写真提供:国外所在文化財財団)


縦318.5センチ、横315センチのこの壁画は、寺院の大雄殿の仏像の後にかけるものと推定され、菩薩が頭にかぶっている宝冠と瓔珞の装飾が1731年に制作された全羅南道順天市の松廣寺の「釈迦牟尼仏図」のものとよく似ており、同時期に制作されたと考えられている。

しかし、様式は従来の釈迦三尊図の型にはまっていないという評価だ。釈迦牟尼の弟子の阿難尊者と迦葉尊者を釈迦の左右の上の方に小さく描かれているのが一般的だが、この釈迦三尊図では2人が釈迦牟尼の前に大きく描かれている。「釈迦三尊図」の返還は、バージニア州博物館協会が制作した動画「危険に直面する文化財10選」を国外所在文化財財団の職員が2013年5月にユーチューブで閲覧しているときに朝鮮時代の仏画を発見したことがきっかけとなった。同財団は、ハーミテージ博物館に「釈迦三尊図」の返還を要請し、米国の某企業の後援で寄贈品の形で返還が実現した。

波乱の運命を辿ってきた「釈迦三尊図」は、日本統治時代に寺院から無断で日本に持ち出され、日本の美術品商「山中商会」の手に渡った。その後、太平洋を越えて米国に渡り、1942年に米オハイオ州のトレド博物館(Toledo Museum of Art)に展示されるなど米国を転々とした。1941年12月に太平洋戦争が勃発すると、米国政府は「敵国資産管理局(Office of Alien Property Custodian)」を通じて山中商会の資産など米国内の日本の資産を没収した。米国政府は没収した美術品をすべてオークションにかけ、「釈迦三尊図」は1944年にニューヨークのオークション市場でハーミテージ博物館が450ドルで落札した。

「釈迦三尊図」は、1954年にバージニア州のノーフォーク博物館(Norfolk Museum of Arts and Science、現クライスラー博物館)に20年の長期レンタルという形で展示された。1973年に再びハーミテージ博物館に返還された「釈迦三尊図」は、ぐるぐる巻かれて天井にぶら下げられたまま40年間放置されていた。

朝鮮仏画の専門家で国立中央博物館のキム・スンヒ教育課長は、「これまでに発見されたことのない型破りの図像で、美術史的に希少価値が高いだけでなく、描かれている人物の表情も非常に繊細で、朝鮮仏画の中でも数少ない秀作」と語った。

1944년 경매에 붙여진 야마나카상회의 소장품이 기록된 도록 (사진: 국외소재문화재재단)

1944年にオークションにかけられた山中商会の所蔵品が記録された図録(写真提供:国外所在文化財財団)


コリアネット イム・ジェオン(林在彦)記者
jun2@korea.kr