文化

2016.06.13

160610_shimchung_art3.jpg

創作30周年を迎えるユニバーサルバレエ団の『沈清』第2幕のクライマックスで繰り広げられる龍宮の女官らによるダンス



「孝」の思想を土台にした韓国の創作バレエ『沈清(シムチョン)』が30周年を迎え舞台を披露する。

ユニバーサルバレエ団は10日から18日まで芸術の殿堂オペラ劇場で『沈清』を上演する。この作品は1986年の初演から30年間、韓国だけでなくロシア、フランス、米国など13カ国で上演され愛され続けてきたユニバーサルバレエ団のメインレパートリー。

舞踊手らはバレエ用にデザインされた伝統衣装の韓服(ハンボク)を着てクラシックバレエを踊る。第1幕で見られる朝鮮時代の庶民の暮らしから第3幕の華麗な宮廷の場面に至るまで、韓国の伝統文化を背景に韓国の古典が西洋舞踊で表現されている。

160610_shimchung_art1.jpg

ユニバーサルバレエ団が演じる『沈清』第3幕で主人公の沈清が盲目の父と再会した際に、父の目が治るシーン



舞台は貧しい家で生まれ育った主人公の沈清が米300石を仏に供えれば父の盲目が治るという話しを聞いて、自らを供え物として印塘水(インダンス、海の名前)に身を投げた場面から始まる。ムン・フンスクユニバーサルバレエ団長は「ほとんどのバレエ作品が男女の愛をテーマにしているが『沈清』は世界でも珍しく親に対する愛情を描いている。『沈清』を見て涙を流す海外のファンが多かっただけに「孝」は人類の普遍的な情緒なのだと思う」と語る。

この作品の見所は第1幕の父の盲目を治すため船に乗った沈清と船員らによる群舞、第2幕の龍宮で女官らが華やかな衣装を着て踊る場面、第3幕の沈清と龍王が月明かりのもとで愛を誓いながら踊る「月明かりのパ・ド・ドゥ(pas de deux、男女2人による踊り)」が挙げられる。

その他にもムン団長をはじめ、ソウルバレエシアターのキム・インヒ団長、元ユニバーサルバレエ団首席舞踊手パク・ソンヒ、チョン・ウンソン、カン・イェナなど歴代の沈清がカメオとして出演、序曲で沈清の回想シーンを演じる場面も見ごたえがある。

バレエ『沈清』の詳細は下記のURLより確認できる。
http://www.sac.or.kr/program/schedule/view.jsp?seq=26319&s_date=20160610

コリアネット イ・ハナ記者
写真:ユニバーサルバレエ団
翻訳:イ・ジンヒョン
hlee10@korea.kr

160610_shimchung_art5.jpg

第3幕で龍王と沈清が月明かりのもとで愛を誓う「月明かりのパ・ド・ドゥ」は『沈清』で一番の見所


160610_shimchung_art2.jpg

第1幕で沈清が嵐の中を航海する船の上で船員らと群舞を披露している