「甘い味がして毒がない。視界をすっきりさせ、目の疲れをほぐし、内臓を癒し、強い風により涙がでるのを防ぐ」
朝鮮時代を代表する医書『東医宝鑑(トンイボガム)』に記録された「菊の花」の効能だ。
韓国で秋によく見られる花のうちのひとつである菊は、冷たい風の中でも花を咲かせる様子が君子の徳目を持つとされ、古くから梅、蘭、竹とともに「四君子」と呼ばれてきた。
韓国では旧暦9月9日の「重陽節」に菊の花を使ったチヂミと酒を作る風習があった。もち米で作った白い生地を焼いて作った菊の花チヂミを口にすると、おくゆかしい菊の香りが口の中全体に広がる。
菊の花チヂミとともに秋の趣を満喫してみるのはどうだろうか?
菊の花チヂミは、かつて菊の花で作った酒とともに「重陽節(旧暦9月9日)」に食べられていた。材料として食用菊(ハマカンギク)が使われる
**材料と分量もち米 5カップ(もち粉 10カップ)
塩 大さじ½
水 1カップ
食用菊 20個
ナツメ 10個
栗 10個
イワタケ 8枚
ハチミツ(またはシロップ)
油
菊の花チヂミの材料である食用菊、もち粉、水、油
**作り方1. もち米はきれいに洗ってから軽く研ぎ、12時間ほど水に浸してから取り出す。塩を加えすり潰し細かい粉にする。熱湯を加えて生地を作り、直径5cmほどに丸める。
2. 食用菊は花の部分だけを冷水で洗ってから水気を取り、ナツメは皮をむき千切りにするか、花の形に切る。
3. フライパンに油を引いて生地を焼く。ひっくり返して焼きあがった面に食用菊、ナツメなどを載せる。
4. 完成したチヂミにハチミツやシロップを塗る。
食用菊の花びらを取って使う。小さいものは丸ごと載せてもよい
もち米粉で作った生地の上に食用菊の花びらとナツメを載せて飾りつける。生地を焼くときは弱火で時間をかけて焼く
編集:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
協力:韓国伝統飲食研究所
翻訳:イ・ジンヒョン