駐韓スイス大使館=16日、ソウル、キム・シュンジュ撮影
[ソウル=ミン・イェジ、イ・ギョンミ]
伝統的な韓国家屋を現代的にアレンジして新たに建てた「駐韓スイス大使館」がソウルでオープンした。
まるで鋼鉄の要塞のように見えるコンクリートドアを開けて入ってみると、広い内庭が見える。内庭の真ん中の方へ足を運ぶと、ハングルの「ㄷ」字型の木造建物がある。東から西へと繋がる緩やかな傾斜の螺旋構造に、格子模様の窓ガラスから入ってくる日差し。建物の軒の下で日差しを避けることもできる。
2階へ上がると、きれいに並んだ屋根の垂木が目を引く。ホワイトの家具やグレーの間仕切りは、一見すると不似合いな韓国の木造建物にも妙にマッチしている。
駐韓スイス大使館=16日、ソウル、ミン・イェジ撮影
この建物を設計したニコラ・ボシェ氏は、「韓屋の形と空間構成から霊感を受けて設計した」と話す。「韓屋は、それぞれの空間が機能し、全てが内庭を中心となっている」ということに着目したボシェ氏は大使館を設計する際、空間を多目的空間・事務棟・休憩スペース・官邸の4つに分けた。
2012年に行われた駐韓スイス大使館設計公募に応募したボシェ氏は、プロジェクト名を「スイス韓屋」と名づけ、韓屋を建てる方法から勉強し始めた。韓屋の専門家に聞き、韓国現地のパートナーと協業した。建物の持続可能性を考え、スイスと韓国の特徴が調和するように設計した。
駐韓スイス大使館のリヌス・フォン・カステルムス大使は、「大使館が『スイスの家』になって、誰もが気軽に訪問できる場所になってほしい」と話した。また、韓屋をモチーフにして建てられたことについて、「国際社会でさらに高くなりつつある韓国の地位に対する賛辞」と説明した。
韓屋をモチーフにした駐韓スイス大使館の建物の設計者ニコラ・ボシェ氏=16日、ソウル、キム・シュンジュ撮影
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