文化

2022.07.15

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徳寿宮の池=CJY ART STUDIO


[ソウル=チョン・ジュリ、キム・ウニョン]

繊細なガラスの作品で知られているフランスの現代美術アーティスト、ジャン=ミシェル・オトニエル。彼の個展「TREASURE GARDENS」がソウル市立美術館の西小門(ソソムン)本館と野外彫刻公園、朝鮮時代の宮殿・徳寿宮(トクスグン)庭園で開かれている。ソウル市立美術館が主催し、計74点が展示されている。

オトニエル氏は1964年、フランスのサン=エティエンヌで生まれた。磨き抜かれたガラスの球が連なった作品や、鏡面のように光や風景を反射するステンレス製のパールが結び目を描き出す作品など、様々な材料を活用し、新たな世界を構築していくことが彼の強みだ。ヴェルサイユ宮殿、プティ・パレ、ペロタン東京で個展を開いた。

今回の個展で新作「ウメの花(Plum Flower)」を公開したオトニエル氏に、話を聞いてみた。

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ソウル市立美術館の入り口=CJY ART STUDIO


- テーマが「庭園(GARDENS)」だが、どんな意味があるのか。
庭園は散歩したり、ゆったり休憩できるスポットだ。私にとって、庭園はアイデアが浮かび、夢が生み出される場所だ。

- 韓国は初めてか。
ソウルと釜山(プサン)、済州島(チェジュトウ)に行ったことがある。特に済州島の自然の豊かさに魅了された。

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ソウル市立美術館・西小門本館で公開された「ウメの花(Plum Flower)」=チョン・ジュリ撮影


- 新作「ウメの花(Plum Flower)」について。

韓国の「ウメの花」からインスピレーションを受けて制作した絵画作品だ。韓国でこの花は、「春の訪れを真っ先に知らせてくれる」として「再生」を意味する。パンデミックの終息に向かっている今の状況にピッタリな花とも言える。

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ソウル市立美術館の野外彫刻公園=CJY ART STUDIO


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徳寿宮の池=CJY ART STUDIO


- 今回の展示物について。
自然の緑の濃淡の美しさに似合う色として「金色」が思い浮かんだ。金色の作品と自然の調和がポイント。徳寿宮の池から鑑賞を始めてほしい。自然と作品の中から「心の平和」と「自己省察」を見出してほしい。

- 屋外に作品を展示したが。

現代美術に興味を持たせるようにすることがアーティストの使命だと思う。新しい世界観を通じて希望を与えるのが重要だ。ガラスやステンレスは、一見すると自然にそぐわない素材だが、互いに影響を及ぼし空間になじんでいく様子が好きだ。ぜひ楽しんでもらいたい。


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ソウル市立美術館の西小門本館で公開された「青い川(Blue River)」


- 注目の作品は。

「青い川」だ。川を表す7500の青いレンガと、天井からぶら下がる14の結び目で構成されている。2011年の展示以来、最大規模を誇る。

- 作品の世界観について。
「希望」と「現実逃避」だ。現実から少し目を逸らし休めば、新しい世界が開かれる。芸術は、その役割を果たさなければならない。

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ジャン=ミシェル・オトニエルの個展「TREASURE GARDENS」ポスター=ソウル市立美術館


ソウル市立美術館の西小門本館と野外彫刻公園では無料。徳寿宮庭園では1000ウォン(24歳以下と65歳以上は無料)。8月7日まで。月曜日は休館。


etoilejr@korea.kr