内房歌辞の一部
[ユン・ソジョン]
[写真=文化財庁]
文化財庁は26日、韓国の歴史的記録物3件が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)アジア太平洋地域版に登録されたと発表した。
今回登録されたのは、「三国遺事」「内房歌辞」「泰安(テアン)油類被害克服記念物」の3件。24~26日に慶尚北道(キョンサンブクト)・安東(アンドン)市で開かれた「アジア太平洋地域委員会(MOWCAP)総会」で登録が決定された。
「内房歌辞」は、18~20世紀の初期、朝鮮時代の女性たちが主導的に作った文学作品。当時の女性らの社会的認識がうかがえる記録であり、ハングルが社会で公式の文字として位置付けられていく過程を示すものであるという点が認められた。文化財庁は、東アジアにおける男性中心の社会で暮らす女性の視点や、それを克服するための努力が分かる記録であると説明する。
「三国遺事」は、高麗時代の高僧の一然(イリョン、1206~1289)が1281年に出した本で、韓半島の古代神話や歴史、宗教、生活、文学などを記している。文化財庁は「中国を中心とする世界観から脱し、檀君から三国時代、高麗にまで続く韓民族中心の歴史観や仏教を基盤とした民族ならではのアイデンティティがあらわれている」と説明した。
「泰安油類被害克服記念物」は、2007年12月7日に忠清南道(チュンチョンナムド)・泰安沖で発生した石油流出事故や、その危機を乗り越える過程を盛り込んだ文書で、約20万件に上る。官民挙げての対応やボランティア活動、被害地域における復旧活動、自然環境復元、石油汚染に関する国際協力分野で生産されたあらゆる記録物が含まれる。文化財庁は「大規模な環境災害を官民が力を合わせて克服したという内容が高く評価された」と説明した。
「世界の記憶」は、世界的に重要な記録物に対する認識を高め、保存やアクセスを促すことを目的とするユネスコの事業の総称。ユネスコ執行委員会において決定される国際登録と、「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会(MOWCAP)やラテンアメリカ地域(MOWLAC)等が決定する地域登録がある。韓国からは、「朝鮮王朝の宮中扁額」「朝鮮時代の萬人疏(朝鮮時代、多くの儒学者たちが連名で王に差し出した上書)」「韓国の扁額」の3件が、すでにMOWCAP地域登録されている。
三国遺事
泰安油類被害克服記念物
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