文化

2023.08.11

韓国で7月と8月は、夏の映画シーズンとされる。夏休みの期間であり、暑さをしのぐために涼しい映画館を訪れる人が増えるからだ。

韓国映画界では、この時期を狙い、スケールの大きい映画が公開されるが、今年も恒例の「夏の大戦」が繰り広げられている。今夏の韓国映画BIG4と言われる4本を紹介する。

[イ・ギョンミ]
[映像=Well Go USA Entertainment公式YouTubeチャンネル]


■ 「密輸」:海上・海中が舞台のアクション 

映画「密輸」のワンシーン=NEW

映画「密輸」のワンシーン=NEW


先月26日に韓国で公開された映画「密輸(原題)」。1970年代の海の街を背景に、海女らによる密輸犯罪を描いた。「ベテラン」「軍艦島」「モガディシュ 脱出までの14日間」などのリュ・スンワン監督の作品で、キム・ヘス、ヨム・ジョンア、チョ・インソン、パク・ジョンミン、コ・ミンシなどが主演し、海洋アクションを披露する。

映画振興委員会の統計によると、10日現在、観客動員数393万26人を記録し、公開されて以来、映画ランキングで上位を維持している。

第48回トロント国際映画祭、第76回ロカルノ国際映画祭に続き、今年10月に開催予定のシッチェス・カタロニア国際映画祭にもノミネートされた。同映画祭の執行委員長は「予想外の女性ヒーローがたくさん登場し、面白い上に感動を与えるアクション映画」と評価した。


■「非公式作戦」:息の詰まるような追撃戦


映画「非公式作戦」は、レバノンで武装集団に拉致された仲間を救出するために現地に向かった外交官ミンジュンと、現地でタクシードライバーを務めるパンスの話を描いたバディームービー。1980年代に起きた実際の事件をモチーフにした。

狭い路地や傾斜した階段を舞台に、手に汗握るような追撃戦が繰り広げられる。映画のロケ地であるモロッコとイタリアの風景が観客の目を奪う。

「非公式作戦」は米国、日本、台湾、カナダ、ベトナムなど103カ国・地域に販売された。北米では4日、フィリピンでは9日、オーストラリアとニュージーランドでは10日に公開された。英国、台湾、香港などでも近いうちに公開される予定だ。


■ 「THE MOON」:未知の宇宙世界

映画「THE MOON」のワンシーン=CJ ENM

映画「THE MOON」のワンシーン=CJ ENM


韓国の月探査機が打ち上げられた2029年。しかし、不慮の事故で1人の隊員が月に取り残されてしまう。必死に彼を救おうとする、宇宙センター長の姿を描いた映画「THE MOON(原題)」。韓国では2日に公開された。

韓国で初めて、シリーズ2作とも観客動員数1戦万人を突破した映画「神と共に」を作ったキム・ヨンファ監督。「THE MOON」でもハイレベルのCG(コンピューター・グラフィックス)とVFX(視覚効果)を通じて、実際に月を探査しているかのように感じることができる。


■ 「コンクリートユートピア」:怖いのは災害ではなく人間

9日に公開された「コンクリートユートピア」は、巨大地震に見舞われて廃墟と化したソウルで、唯一、倒壊をまぬがれたマンションに生存者たちが集まることで起こる話を描いた。

映画「コンクリートユートピア」のワンシーン=ロッテエンターテインメント

映画「コンクリートユートピア」のワンシーン=ロッテエンターテインメント


他の3本の映画に比べ、監督の知名度は高くないが、俳優らの演技に注目が集まっている。特に、主人公のヨンタクを演じる俳優イ・ビョンホンが抜群の演技力を見せる。

4日に行われたGV(Guest Visitの略で、映画の関係者が出席し、その映画について観客と話し合うイベント)でパク・チャヌク監督は、「イ・ビョンホン演技の歴史の新しい幕開けだ」とし、「すべての演技において、納得のいくような変化をドラマティックに表現する」と絶賛した。

152カ国・地域で先行販売されたほか、第56回シッチェス・カタロニア国際映画祭、第48回トロント国際映画祭など、有数の国際映画祭にノミネートされており、全世界で注目されている。日本では来年の1月に公開される予定だ。

km137426@korea.kr