文化

2023.10.24

「大韓帝国外国公使接見礼」の様子。英国の公使が高宗皇帝に謁見するシーン=20日、ソウル

▲ 「大韓帝国外国公使接見礼」の様子。英国の公使が高宗皇帝に謁見するシーン=20日、ソウル



[ソウル=オ・グムファ]
[写真=オ・グムファ]

涼しい秋風が心地よい20日の午後2時、ソウル・中区の徳寿宮(トッスグン)内の静観軒では、「大韓帝国外国公使接見礼」が行われた。

「大韓帝国外国公使接見礼」は、朝鮮王朝第26代国王で、大韓帝国初代皇帝となった高宗(在位1863~1907)が外国使節と接見する姿を再現した行事。米国、フランス、英国、ロシアなどの外国使節と接見する姿が演劇によって再現され、観客は1902年にタイムスリップした。

徳寿宮・静観軒前に集まっている観客ら=20日、ソウル

徳寿宮・静観軒前に集まった観客ら=20日、ソウル


静観軒は、韓国の伝統的な家の様式と洋式の建築様式が混在している建築物で、高宗と外国使節の接見が行われた場所だ。

接見礼は、警務庁(大韓帝国の警察庁)巡査2人の登場で本番がスタート。大韓帝国が長年続いてきた中国の影響から脱し、欧米列強並みの外交を展開し、帝国としての権威や近代化への意志を表明したというストーリーが、2人によって面白く説明された。

厳粛な雰囲気の中、高宗皇帝が登場した。皇帝は外国公使に会う前、礼式院長との短い対話を交わした。民の平安を心配し、大韓帝国の自主・自強を実現しようという高宗の意志が感じられた。
礼式院とは、大韓帝国の対外交渉や礼式、皇帝の親書・国書などに関する業務を担当していた宮内部傘下の機関

続いて、外国公使らが次々と登場し、皇帝に謁見した。頭を下げて3回挨拶したが、これは外国公使に配慮しながらも、韓国の伝統的な礼儀作法に反するものではない挨拶の仕方だった。

謁見が終わった後、外国公使らのための宴会が行われた。参加者はみな、宴会を楽しみながら、自国の利益を守るための話し合いをしていた。当時の大韓帝国が、欧米の国々とどのような関係だったか、微妙でただならぬ関係だったという時代の雰囲気がうかがえた。

宴会公演で最も大きな反応を得た「鳳山タルチュム」=20日、ソウル

宴会公演で最も大きな反響があった「鳳山タルチュム」=20日、ソウル


演劇の終了後、東西の文化が融合した近代式の宴会公演が再現された。大韓帝国当時は、公式の手続きに従って接見礼を先に行った後、場所と時間を決めて宴会公演を行ったのが特徴。

軍楽隊が様々な行進曲をメドレーで演奏し、剣舞や高麗時代の歴史記録に残っている伝統舞踊「抛毬楽(ポグラク)」が披露されるなど、韓国の伝統芸術の公演が行われた。

最も大きな反響があったのは「鳳山タルチュム」(仮面舞踊劇)だった。白い獅子(シシ)の大きな仮面をかぶった俳優たちの誇張された身振りやコミカルな演技に、観客は爆笑した。

2010年から始まった大韓帝国外国公使接見礼行事は、2019年までは儀式のみ再現されてきたが、昨年から演劇形式になった。韓国文化財財団の担当者は「大韓帝国当時、韓国と西洋諸国の間に存在した複雑で微妙な外交関係を演じる役者の口調や表情に注目し、当時の時代的雰囲気を感じてほしい」とし、「今後も韓国の文化遺産や歴史に関心を持ってほしい」とコメントした。

韓国の伝統舞踊「抛毬楽」=20日、ソウル

韓国の伝統舞踊「抛毬楽」=20日、ソウル


jane0614@korea.kr