「メディシス賞」の外国文学賞を受賞した後、記者会見に臨むハン・ガン作家=9日(現地時間)、フランス・パリ、聯合ニュース
[チョン・ジュリ]
[映像=Grasset出版社の公式YouTubeチャンネル]
韓国の女性作家、韓江(ハン・ガン)氏の長編小説「お別れしない(原題)」がフランス「メディシス賞」の外国文学賞を受賞した。同賞の審査委員団が9日(現地時間)、発表した。韓国の作家がメディシス賞の外国文学賞を受賞するのは初めて。
1958年に創設されたメディシス賞は、ゴンクール賞、ルノードー賞、フェミナ賞と共にフランスの4大文学賞と呼ばれる。外国文学賞は1970年から斬新かつ実験的な作品に贈られる。
「お別れしない」は、韓作家が長編小説「菜食主義者」で英文学賞のブッカー国際賞を受賞して以来、5年ぶりに出した長編小説。済州(チェジュ)4・3事件の悲劇を、「ギョンハ」「インソン」「ジョンシム」という3人の女性の視点で描いた作品だ。
フランス語版のタイトルは「不可能な別れ(Impossibles adieux)」。チェ・ギョンラン氏とPierre Bisiou氏が共同で翻訳作業を行い、今年8月にフランス出版会社「Grasse」が初めて翻訳版を出版した。
韓氏は2017年、「ギリシャ語の時間」でも同賞の最終候補に選ばれたことがある。
受賞後、フランス・パリのGrasse出版社で記者団に対し、「最終候補に選ばれたこと自体がうれしかった」と話した。
その上で、「私が届けたいのが果てしない愛、お別れしない心だ」とし、「その気持ちを感じていただければと思う」と語った。
「お別れしない」は、ポルトガルの女性作家リディア・ジョルジェ(Lidia Jorge)の「Misericordia(原題)」と共同受賞した。