[ソウル=イ・ジヘ]
[映像=イ・ジュニョン]
2025年は乙巳(きのとみ)の年。乙は青色を、巳は蛇を意味する。
蛇は、十二干の中で6番目に数えられる。古くから蛇は、脱皮することから「復活と再生」を連想させる。また、「知恵」と「豊穣」の意味も持つ。
国立民俗博物館は3月3日まで、蛇をテーマとした企画展示を開催している。蛇に関する世界の文化などが紹介される。
蛇神(左)、メドゥーサの首が取り付けられている盾を持つアテナ=国立民俗博物館、イ・ジヘ撮影
昔から干支は、方角や時刻を示す際に用いられ、時計や羅針盤といった日常用品にも活用された。巳は、方角では南南東、時刻では午前9時から11時のことをいう。
他の動物に比べ、蛇に関する地名は少ない。ソウル市・竜山区など、竜に関する地名は全国で1261カ所。一方、蛇に関する地名は208カ所にとどまる。
破壊と死の象徴
ヨーロッパの神話における蛇は、サタンや世の中を破壊する存在、混沌や闇の象徴として描かれることが多い。ギリシャ神話に登場する怪物メドゥーサは、髪の毛が無数の蛇であり、彼女を見た者は、石になってしまう。また、9つの頭を持つ水蛇の怪物ヒドラは、英雄のヘラクレスによって首を切断された。
バジリスクは中世ヨーロッパの伝説によく登場する想像上の生物だ。トカゲや、鶏の頭部と胴体を持つ蛇の姿で描かれる。バジリスクは死を象徴するもので、ハリーポッターなど、様々な文学作品や大衆文化で登場する。
スイス・ジュネーブにある世界保健機関(WHO)の本部。WHOの紋章は、国連のマークに蛇が巻き付いた、アスクレピオスの杖を重ねたもの=聯合ニュース
生命力の象徴
アスクレピオスはギリシャ神話に登場する医術の神。アスクレピオスがいつも蛇が巻き付いた杖を持っていたことから、その杖が医学の象徴となり、世界保健機構(WHO)のロゴとしても採用された。蛇は、脱皮して成長し、永遠の生命を維持する不死・再生・永生を表す。
中国の神話に登場する伏羲と女媧=国立中央博物館
中国の神話に登場する伏羲と女媧は、上半身は人間、下半身は蛇身となっている。それぞれコンパスと定規を持っている。
皮を脱ぎ捨てることで成長し、1度に10個程度の卵を産む蛇は、強い生命力と豊かさの象徴だ。また、豊作を願って雨を降らせる水神にもなり、家族や村を守る守護神にもなる。
jihlee08@korea.kr