食・旅行

2019.05.01

「DMZ平和の道」に参加する訪問客の様子=27日、江原道・高城

「DMZ平和の道」に参加する訪問客の様子=27日、江原道・高城



[高城=キム・ヨンドク、キム・ウニョン]
[写真=キム・ヨンドク]

「DMZ平和の道へようこそ!」

27日朝9時、江原道(カンウォンド)の高城(コソン)地域の非武装地帯(DMZ)周辺は、訪問客や国内・海外報道陣でにぎやかだった。同地域の猪津(チェジン)検問所に設置されたボードには、DMZツアーを知らせる挨拶言葉が表示されていた。

昨年4月27日に開かれた1回目の南北首脳会談1周年を記念して、韓国政府はDMZ周辺を整備した「DMZ平和の道」を65年ぶりに一般人に公開した。DMZ周辺は、普段は一般人の立ち入りが制限される。昨年9月19日に締結した南北間の軍事的な緊張緩和策を盛り込んだ合意書の措置の一つだ。

午前10時、統一展望台から「DMZ平和の道」ツアーが始まる。
海岸の鉄柵沿いに金剛山(クムガンサン)展望台に至る区間(Aコース、2.7キロ)として造成し、統一展望台から金剛山展望台までの往復区間を車両で移動する区間(Bコース、7.9キロ)もあるが、私は今回、Aコースを体験した。

海岸の鉄柵沿いに金剛山展望台に至る区間を歩いている訪問客の様子=27日、江原道・高城

海岸の鉄柵沿いに金剛山展望台に至る区間を歩いている訪問客の様子=27日、江原道・高城



暖かい風が吹き、静かな波の音が聞こえる。幅2~3メートルの海岸通りを歩くと、砂浜にいるような気がした。

海岸沿いの左側には、韓国陸軍が設置した立ち入りの禁止看板と地雷流失を防ぐ高さ30センチの石垣が見える。30分ほど歩くと、軍事境界線から南の方に2キロ離れている南方限界線が見える。解説者によると、この線を越えれば、国連軍司令部の軍事休戦委員会が管轄するDMZに進入する。

DMZに入ると、2007年に電柱を設置する油圧ショベルが地雷を踏み、爆破した様子がそのまま残されている。南北和解を望み、ツアーに参加した朴瑞姬(パク・ソヒ、20代、会社員)氏は「この周辺に設置された地雷を除くには時間がかかると思うが、DMZが公開され、民族間の距離が縮まったことに意味がある」と所感を述べた。

午後12時、金剛通門に到着した。解説者は、26日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が書いた「平和への道、これからです」の文句に触れ、「DMZが南北共生の場所になることを望む」と話した。

金剛通門から1.6キロ離れている金剛山展望台に向かった。険しい山道の区間はバスで移動した。軍事境界線から1.2キロ離れている金剛山展望台では、北朝鮮の彩霞峰や九仙峰、海金剛の風景が統一展望台から見るよりはっきりと見えた。

韓国で行われた平昌冬季オリンピックをきっかけに一時公開された金剛山展望台を、昨年訪問した時は寒かったが、いつの間にか春が訪れ、暖かくなった。

DMZ情報を翻訳しながら疑問を持ち、金剛山展望台を訪問した邊柱榮(ビョン・ジュヨン、50代、翻訳家)氏は、「この体験を通じて統一・南北問題・南北和解ムードなどを深く考えるようになった」とし、「これからは、不安を抱えずに共に暮らせる日が来ると思う」と話した。

午後1時20分ごろ、猪津検問所に到着した。2時間30分のDMZツアーを通じて、南北がだんだん近づいていることに気づいた。

同ツアーは、1日に2回、Aコース(20人)とBコース(80人)の2つのコースで構成されており、月曜日は休日となっている。韓国政府は、続けて鉄原郡(チョルォングン)と坡州市(パジュシ)区間も一般公開する予定だ。

kyd1991@korea.kr