西大門刑務所
[キム・ヨンドク、イ・ギョンミ]
[写真=聨合ニュース]
ダークツーリズムとは、悲しみの記憶が残っている「負の遺産」を巡る旅のこと。
戦争や災害の跡地など、人の死や悲惨な出来事にまつわる場所を尋ね、教訓を学び取ることを目的とする旅で、ポーランドのアウシュビッツ収容所やカンボジアのキリング・フィルド、同時多発テロ事件が起きた米国のグラウンド・ゼロなどが有名だ。
今年で74周年目となる光復節を迎え、日本による植民地時代(1910~1945)の痛ましい歴史が感じられるダークツーリズムスポットを紹介する。
独立と民主主義の現場「西大門刑務所」
1908年10月21日。日本は今のソウル西大門区に京城監獄(今の西大門刑務所)を建てた。1945年に独立するまでの間、闘い続けた多くの独立運動家らがここに収監された。当時の記録によると、西大門刑務所に収監された独立運動家は約5千人に達し、日本は韓国を植民地化するために韓国人を弾圧した。
今の西大門刑務所歴史館は1998年、独立運動家が拷問を受けた場所であり、独立と民主主義の現場という点が認められ、国民の歴史教育の場所として生まれ変わった。歴史館には、獄舎の原型と独立運動家の資料などが展示されている。入場料は3千ウォン(約260円)。
西大門刑務所歴史館ホームページ :
http://www.sscmc.or.kr/foreign/eng/introduction.html
慰安婦歴史館の内部
痛ましい記憶が残っている「慰安婦歴史館」
慰安婦歴史館は、日本軍による性奴隷制の歴史を記録しておくため、1998年に京畿道(キョンギド)の広州(クァンジュ)市に建てられた。日本軍性奴隷に関する資料を展示することで、このような悲惨な歴史が二度と繰り返されないよう努力する教育の場として活用されている。
歴史館は、慰安婦被害者の証言に基づいて被害を再現した。慰安所や慰安婦に関するものが展示され、性奴隷制の残酷さが感じられる。また、被害者の苦しみを表現した絵が展示されており、被害者を追悼する空間も設けられている。
現在、生存している慰安婦被害者は20人。「被害のことを歴史に残しておくべきだ」という被害者の金学順(キム・ハクスン)さんの言葉が慰安婦歴史館の存在理由である。入場料は5千ウォン(約440円)。
慰安婦歴史館のホームページ :
http://www.nanum.org/eng/main/index.php
アルトゥル飛行場
痛ましい歴史が残っている「アルトゥル飛行場」
日本による植民地時代の日本軍の蛮行は済州島(チェジュド)でも感じられる。済州島の言葉で「アルトゥル飛行場」とは、「下の野原」を意味あするが、アルトゥルの所々には醜いコンクリートの建築物がある。当時、日本軍戦闘機の格納庫として使われた場所だ。
日本軍は1926年から済州島民を強制動員し、アルトゥルに38カ所のコンクリート格納庫を建てた。周辺には、日本軍が使った地下バンカーや洞窟陣地などがある。大陸侵略という日本の狙いが見える場所である。
アルトゥル飛行場は、2002年に近代文化遺産に指定され、ダークツーリズムスポットとなった。戦争の傷跡が残っているアルトゥル飛行場で平和の意味を考えるのもいいだろう。入場料は無料。
済州観光公社ホームページ :
https://www.visitjeju.net/en/detail/view?contentsid=CONT_000000000500417
kyd1991@korea.kr