食・旅行

2025.04.04

「第63回鎮海軍港祭」を訪れた観光客の様子=先月31日、慶尚南道・昌原市

「第63回鎮海軍港祭」を訪れた観光客の様子=先月31日、慶尚南道・昌原市


[昌原=アフメットジャヴァ・アイスル]
[写真=アフメットジャヴァ・アイスル]

春を迎えに行こう。目的地は慶尚南(キョンサンナム)道・昌原(チャンウォン)市だ。 韓国で最も大きい桜祭りである「鎮海(チンへ)軍港祭」が、今年で63回目を迎える。今年の祭りの期間は、先月29日から今月6日までの9日間だ。


先月31日、昌原駅の桜は五分咲きだった。淡いピンク色に包まれた景色に、自然と笑顔がこぼれる。2025年の春の訪れを感じた。

どこから見て回ろうか迷った末に、昌原特例市がおススメするコースに行ってみることにした。

慶和(キョンファ)駅公園


慶和駅公園で見られる桜とセマウル号の列車

慶和駅公園で見られる桜とセマウル号の列車


先に向かったのは慶和駅公園。余座(ヨザ)川と共に鎮海を代表する桜の名所だ。慶和駅を中心に造成された公園内には、実物の線路と列車が展示され、セマウル号の思い出が感じられる。線路の両側に続く桜並木は、まるでトンネルのようだ。観光客たちは記念写真を撮るのに夢中になっていた。

帝皇山公園

帝皇山公園で、モノレールカーが上っていく様子

帝皇山公園で、モノレールカーが上っていく様子


中央市場で昼食を食べた後、鎮海の帝皇山公園に向かった。モノレールカーに乗って山の頂上まで登った。料金は往復で3000ウォン。高さ28mの塔がそびえ立っていた。 日本が日露戦争で勝ったことを記念して建てたものだが、1967年に海軍軍艦を象徴する9層塔として新しく再建したそうだ。塔の中には昌原市立博物館がある。

7階の展望台に到着すると、その美しい風景に思わず然と感嘆の声があがる。桜の花がまるでピンク色の雲のように見えた。キラキラ光る青い海と春のそよ風に舞い落ちる桜の花びら。美しい春の景色に、幸せを感じた。

余座川

鎮海軍港祭、「余座川星明かり祭り」

鎮海軍港祭、「余座川星明かり祭り」


次に訪れたのは余座川。2002年のドラマ「ロマンス」の舞台となり、韓国だけでなく外国人観光客にも人気を集めている。桜で囲まれた川には、ハートの形をしたオブジェがあった。近くのカフェで時間を過ごし、日が暮れてから夜景を見に戻ってきた。予想通り、桜のイルミネーションは、言葉にできないほど美しかった。

その他にも、昌原には、桜の名所がたくさんある。海に近い鎮海楼の海辺公園と山奥にある安民峠の桜道は、気温が少し低いため、桜が咲き始めたばかりだった。今週末か来週頃に満開になりそうだ。鎮海楼海兵公園では、桜が春と秋に2回咲く。青い海と桜がいっぱいの昌原に行ってみるのはどうだろうか。春を迎えに行こう。

昌原市・鎮海区には、約35万本の桜の木がある。日本による植民地時代、鎮海には日本海軍の基地があり、多くの日本人が住んでいた。そのため、都市整備の一環として桜の木がたくさん植えられた。1945年の光復(クァンボク:独立)を迎えた後、市民たちは日本の国花である桜の除去運動に乗り出した。しかし、1960年代に入って鎮海の桜が済州(チェジュ)道のソメイヨシノだということが明らかになり、桜を再び守ることにした。

aisylu@korea.kr