チキンとビール「チメク」=大邱チメクフェスティバル組織委員会
[仁川=田村温子(日本)]
「チメク(치맥)」「ピメク(피맥)」という韓国語を聞いたことがありますか?
韓国では、サムギョプサルには焼酎、チヂミにはマッコリ、チキンにはビールという定番の組み合わせがあります。
中でも「チキン(치킨)」と「ビール(맥주)」の組み合わせのことを、頭文字を取って 「チメク(치맥)」と言い、「ピザ(피자)」に「ビール(맥주)」を「ピメク(피맥)」と言います。
韓国でチメク・ピメクの組み合わせが人気な理由は、脂っこいおつまみとスカッとしたビールの相性がいいからではないでしょうか?
「今日チメクする?」「何食べる?ピメクどう?」こんな感じで、日常的に使われています。
お店や家(宅配含む)でチメクすることはもちろんですが、サッカーの時期になると、チキン屋さんは大繁盛。
現在は新型コロナの影響でできないですが、韓国では野球のスタンドや漢江などの野外でチメクをすることができます。開放的な空間でチメクをすると、尚おいしいく感じるのは不思議です。
2019年の大邱チメクフェスティバル=大邱チメクフェスティバル組織委員会
2019年の大邱チメクフェスティバル=大邱チメクフェスティバル組織委員会
また、大邱では夏に大きなチメクのお祭り、チメクフェスティバルが開かれます。夜までチキンとビールを野外でわいわいしながら、有名アーティストのライブを楽しんだりと大変盛り上がります。
旅行先でチメク。ホテルに配達した焼きチキンに缶ビール、酎ハイなど=田村温子撮影
韓国では主に「フライドチキン」と「ヤンニョムチキン」(甘辛いタレ)がメインですが、実は色んな種類があります。しょうゆベースやチーズパウダーがかかっているもの、玉ねぎののったサワーオニオン、ネギがたっぷりのったパダク(ネギ+鶏という意味)、ハニーマスタード、激辛ヤンニョムなど様々な味が出ています。
米粉を使ったチキンのプレートセット=田村温子撮影
小麦粉の代わりに米粉を使ったチキンや衣のついてない焼きチキンもヘルシーで人気です。
「フライドチキン」と「ヤンニョムチキン」パンパンセット=キョチョン・チキン
また、骨あり、骨なしなども選択できますし、味を2種類楽しみたい場合はパンパン(半々)と言って一羽(通常量)で2種類の味を注文することができます。人数が多い時や、意見が分かれた時はこれに限ります。
「ピメク」も大人気で、インスタグラムで検索すると43万件を超える写真が投稿されています。(ちなみにチメクは164万件)
宅配やお店では、ピザ1枚を数人で食べることが多いですが、最近は一人ピメクができるように1切れで売っているお店も多くなりました。
1枚のピザで2種類の味を楽しめるピザ=ドミノ・ピザ
またチキンと同じく、丸っと1枚の場合はパンパン(半々)が可能な店もあるし、1枚のピザで4種類の味を楽しめるピザも登場しています。
さつまいもピザ。日本にはない、韓国ならではのトッピング=田村温子撮影
このように韓国では定番の組み合わせがあり、チメク・ピメクはその代表格です。
チキン・ピザ以外にもビールは揚げ物や餃子との相性もよく、最近では揚げ物(튀김)+맥주(ビール)= 튀맥(ティメク)、餃子(만두)+맥주(ビール)= 만맥(マンメク)という単語まで生まれています。
蒸し暑い夏に「チメク」「ピメク」を楽しんでみるのはいかかでしょうか?
*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
eykim86@korea.kr