北京冬季五輪のカーリング女子1次リーグに出場した韓国の金恩貞選手(中央)=14日、中国・北京
[大阪=和田亜希子(日本)]
[写真=聯合ニュース]
手に汗握る熱戦にいくつもの感動が生まれた北京冬季オリンピックは、2月20日に幕を閉じました。中でも私が最も注目したのは、2月14日に行われた女子カーリングの日韓戦です。
日本はスウェーデンを相手に黒星スタートしたものの、その後はカナダなど強豪国を破り4連勝。一方の韓国は2勝後に3連敗し、後がない状態でこの日を迎えました。韓国にとっては非常にプレッシャーのかかる状況でしたが、予選突破目前かと思われた日本チームの勢いに冷や水を浴びせるかのような、金恩貞(キム・ウンジョン)選手の正確なショットが冴えわたり、結果は10対5で韓国が勝利しました。
金恩貞選手=14日、中国・北京
終始なごやかな雰囲気で時に笑顔も見せつつプレーする日本代表に対し、表情を崩さず集中している様子の韓国代表。
カーリングにおける主将、スキップの金恩貞選手は「メガネ先輩」の愛称がツイッターでトレンド入りし、改めて日本での知名度の高さが明らかになりました。
藤澤五月選手=14日、中国・北京
日本チームのスキップである藤澤五月選手も、女優のパク・ボヨンさんに似ていると韓国で話題になり、平昌五輪当時から人気選手として活躍していました。日本代表のロコ・ソラーレは「カーリング娘」とも呼ばれ、ワイドショーでは試合の合間に間食する「もぐもぐタイム」など、彼女たちの可愛らしさにスポットが当てられた報道が多く見られます。アイドルだけでなく、アスリートであっても「小柄で天真爛漫な女の子」とカテゴライズされて多くの支持が集まりました。
一方、リザーブも含めてメンバー全員が金の姓を持つことから「チーム金」と呼ばれる韓国チーム。そのリーダーである金恩貞選手の愛称「メガネ先輩」は、韓国でも人気のある日本の漫画「スラムダンク」に出てくる眼鏡をかけた登場人物「メガネ君」が、韓国では「メガネ先輩」と訳されていることからつけられたといいます。氷上のストーンを射るように見つめる姿は、獲物を狙うかのように鋭く、繰り出すショットは成功率90パーセント(日本戦において)の高さを誇ります。
金恩貞選手=14日、中国・北京
そんな彼女の姿に、日本人が韓国女性アイドルにイメージする「(ダンスや語学など)完璧なスキルを備えたクールな大人っぽさ」を重ね合わせているのではないでしょうか。結婚、出産を経て、オリンピックという大舞台で一流プレーヤーとして活躍することが出来ていることに、自立した女性として憧れを抱く人も多いでしょう。
そんな硬派な印象の金恩貞選手ですが、試合後には笑顔でカメラに投げキッスするチャーミングな一面も見られました。こうした「パンジョンメリョク(反転魅力)」もまた、人気の秘密なのかもしれません。
*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
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